ポール・マッカートニー、ニール・ヤングの共演:デザート・トリップ2日目レポート

ナンバーワン・ヒットの『ハート・オブ・ゴールド 〜孤独の旅路〜(原題:Heart of Gold)』や『今がその時(原題:Comes a Time)』の最も人気のあるバラード曲はファンたちが合唱し、徐々に盛り上がってきた。続く『マザー・アース(自然の讃歌)(原題:Mother Earth)』では、荘厳なパイプオルガンを弾きながらハーモニカを吹いた。曲は、「母なる大地と寛大な歩みを敬いなさい。さもなくば我々の子どもたちの将来を奪うことになる」と締めくくられる。防護服を着た3人の男たちがステージに現れ、得体の知れない物質を撒き散らした。


(Photo by Andy Keilen for Rolling Stone)

やがてヤングと、共にステージに上がったプロミス・オブ・ザ・リアルの5人は『ヒューマン・ハイウェイ(原題:Human Highway)』で最高のハーモニーを聴かせる。この曲はカントリー版の賛美歌『Will the Circle Be Unbroken』を思わせる。続いて、「空高く飛ぶハンググライダーによる自爆テロリスト」を歌う物騒でノイジーなメッセージ・ソング。「誰を非難すべきかはわかっている。妙な名前を持った奴ら。近所へ越してきた奴ら」。

ヤングは上機嫌だった。現在進行中の大統領選で繰り広げられている政治的戦いと絡め、ロジャー・ウォーターズが登場するデザート・トリップの第3夜をジョークにした。「明日の夜もぜひ来た方がいい。奴らは壁(ザ・ウォール)を築くから、我々はメキシコを再び偉大な国にできるぜ」。

プロミス・オブ・ザ・リアルには、ルーカスとマイカというウィリー・ネルソンの2人の息子たちがいる。ヤングとバンドがコラボしたのは、ファーム・エイドでヤングとウィリー・ネルソンが毎年共演していることがきっかけだろう。活気あるコラボで、バンドの5人組はヤングの音楽をよく理解し、若々しさを吹き込んでいる。

ヤングのライヴのハイライトは爆発的な『ダウン・バイ・ザ・リヴァー(原題:Down by the River)』で、その演奏時間は22分以上にも及んだ。ファンは最初から合唱したものの、すぐに1969年の泣きのギターに圧倒された。ヤングのギターはコントロールが利かないほど情熱的なサウンドでメッタ斬りにし、いつものように伸びがありながらノイジーなインプロヴァイゼーションで、2度と同じフレーズは再現できない。ルーカス・ネルソンは、ワイルドに疾走し起伏のあるギターソロを披露した。「やりすぎだ」とヤングはマイクを通して言った後、「弾きすぎだよ」とささやいた。

Translation by Smokva Tokyo

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE