書評|『Fashion + Music:Fashion Creatives Shaping Pop Culture』:音楽とファッションの関係性

| Katie Baron /
By Kenichi Morita, Michiko Mamuro, Yuna Morita 2016/10月号 P115〜115 |
『Fashion + Music:Fashion Creatives Shaping Pop Culture』(Laurence King刊)
ロンドンを拠点に活動するジャーナリスト・編集者ケイティ・バロンが、ミュージシャン達を裏側でサポートした、ファッション・ディレクターやアート・ディレクター、スタイリストにスポットを当て「音楽とファッションの関係性」まとめあげた一冊。

音楽とファッションという繋がりを振り返ると、音楽がユースカルチャーと結びつき、大衆性を持った時点から、それ以前と比べより密接で強いものになっていったのは言うまでもない。エルヴィス・プレスリーの体現したロックン・ロールには、歌のほかに、彼のダンスや髪型や服装、振る舞いまでもが同列に含まれていたはずである。ミュージシャンは、自身の音楽を「いかに聴かせるか」ということと同様に、「どう魅せるか」ということにも細心の注意を払ってきたはずだ。それはライヴでの演出やステージ衣装、アルバムやシングルのアート、映像作品、雑誌やWEBのプロモーションなど、挙げていけばきりがない。「聴かれる」ことと「見られる」ことを同時に意識することで、エンタテインメント性は何倍にも膨らんでいく。これは時代が今に近づけば近づくほど顕著になっているはずだ。

ロンドンを拠点に活動するジャーナリストであり、編集者であるケイティ・バロンによるこの書籍は、そんな「音楽+ファッション」を高い次元で融合させることが出来たミュージシャン達を裏側でサポートした、ファッション・ディレクターやアート・ディレクター、スタイリスト達にスポットを当てている。グレイス・ジョーンズを、ワイルドかつセクシー、そして中性的でミステリアスな存在へディレクションしたジャン=ポール・グードや、グラム・ロック全盛の71年にデビューしたロキシー・ミュージックを、他のグラム・ロッカーとは一線を画すバンドイメージで唯一無二のものにしたアンソニー・プライス、同じグラム・ロックでもその頂点にいたデヴィッド・ボウイを虜にし、誰も見たこともないような斬新なステージ衣装を提供した山本寛斎、80年代にパンクとモードをストリートの解釈で結びつけ、カルチャー・クラブやネナ・チェリー、ビョークのスタイリングを手掛けたジュディ・ブレイム、そしてレディ・ガガのセンセーショナルなイメージを常に更新し続けるニコラ・フォルミケッティ等、多くのクリエイターを紹介している。彼らの創り出す世界観は音楽同様、もしくはそれ以上に我々に大きなインパクトとイマジネーションを与えているはずだ。


『Fashion + Music:Fashion Creatives Shaping Pop Culture』
Katie Baron
Laurence King刊 ¥5,610

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