米大統領選2016:最終討論会の見どころ

Tessa Stuart | 2016/10/21 15:00

| ヒラリー・クリントンとドナルド・トランプは2016年10月19日(現地時間)、10月9日に行われた第2回討論会に続く最終討論会に臨む。 (Photo by Scott Olson/Getty Images) |


FOXニュースのキャスターとして初めて大統領選討論会の司会を務めることとなったウォレスは、共和党予備選挙中にFOXニュースが主催した討論会でも司会を務めた。その際のトランプに対する鋭い指摘が広く好評を得ていた。この時ウォレスは、トランプによる公約がいかに実現から程遠いかを示すフルスクリーンの図表を事前に用意していた。トランプは、環境保護庁(EPA)と教育省を廃止し(両方を実現したとしても赤字額の6分の1以下の削減)、高齢者医療保険制度における薬剤費を3000億ドル削減(実際にかかっている金額は780億ドルのみ)することで、財政赤字を解消できると主張していた。

「トランプさん、あなたの計算は全く合いません」というウォレスの厳しい指摘は、視聴者の印象に強く残った。

ニューヨーク誌のガブリエル・シャーマンは2016年10月初旬、「ウォレスがこの時に準備した図表に対して高い評価を与えるべきではない」と指摘している。ウォレスと他の2名の共同司会者は、FOXニュースの親会社ニューズ・コーポレーションのCEOルパート・マードックから、トランプ候補の足を引っ張るように指示されていたという。FOXが主催した共和党候補による第1回討論会(2015年8月)の数日前、マードックが当時FOXのCEOだったロジャー・エイルズの自宅を訪問し、「もう十分だ」と言ったという。そして、討論会で司会を務めるメーガン・ケリー、ブレット・バイアー、クリス・ウォレスの3名に、トランプに対してあらゆる問題に関して集中攻撃させるように要請したという。

しかし第3回討論会では、ウォレスは誰の影響も受けずに司会を進めることができるだろう。マードックの傘下にあるFOXニュースは共和党予備選の討論会を担当したが、本選の討論会は勝手が違う。全3回の討論会は討論会委員会によって管理され、各司会進行役はひとつひとつの言動に重い責任を持つ必要がある。

ウォレスは「予備選の時とは違う方針で進める」と宣言していた。ウォレスは、「各候補者の主張に対する事実確認を追求するつもりはなく、それは自分の仕事ではない。それは他の人間に任せる。私は両者に対し平等に主張の時間を割り当てることに気を配るつもりだ」と、FOXのハワード・カーツに語っている。
Translation by Smokva Tokyo

RECOMMENDED

おすすめの記事