映画『ソーセージ・パーティー』:セス・ローゲンによるエッチな傑作フード・アニメ

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激しく怒り狂う食品たちを描いたコメディ・アニメ『ソーセージ・パーティー』は、既成概念をぶっ壊し、あなたを爆笑の渦へと引きずり込むだろう。

このびっくり箱のような映画『ソーセージ・パーティー』を見て、「わたしは映画を見ていたのだろうか。それとも幻覚を見ていたのだろうか?」と問いたくなるだろう。言っておくが、これは賞賛である。エバン・ゴールドバーグ、カイル・ハンター、アリエル・シェイファーと脚本を書き上げたセス・ローゲンは、神もセックスも存在しないスーパーマーケットの世界の住人たちを描いたこのR指定のアニメーション映画で、昨今の中東問題へメスを入れることを夢見ていたのだ。コンドームのようなパッケージから飛び出し、ブレンダ(声:クリスティン・ウィグ)という名のバンに滑り込みたいと熱望しているソーセージの主人公、フランクの声もローゲンが担当している。ローゲンは実にエネルギッシュな皮肉屋で、おそらくちょっと行き過ぎたところもある。だけど、彼のそんな部分も愛してあげないといけない。

『ソーセージ・パーティー』を見ると、私たち人間が何を食べ、何を飲み、何を買っているかで構成されているかがよくわかる。ローゲンが描き出したスーパーマーケットの住人たちは、卑猥な禁句を連発しながら、買い物客に選ばれることで楽園に行くことができると妄想している。しかしそんな食品たちの夢は、映画『プライベート・ライアン』に筆頭する大虐殺シーンですぐに打ち砕かれる。(本当に些細なことだが、コンラッド・バーノンとグレッグ・ティアナンの両監督は『プライベート・ライアン』から影響を受けているかもしれない)。

ピタパン(声:デヴィッド・クラムホルム)に縄張り意識をむき出しにする、理屈っぽいベーグルを演じたエドワード・ノートンには大爆笑だ。ブレンダに興味を抱くバイセクシャル気味なタコスを演じたサルマ・ハエックも素晴らしい。自身のサイズ、もしくは太さに悩むミニ・ソーセージ役のマイケル・セラも特筆すべきだろう。しかし何と言っても、ニック・クロールの演じたいつも口火を切るあの嫌な奴。ああ、何てことだ。このまま語り続けることもできるがその必要もないだろう。嫌なヤツほど子供たちの興味を引くものだ。子供たちにはトラウマになるかもしれないが。



『ソーセージ・パーティー』
監督:コンラッド・ヴァ―ノン、グレッグ・ティアナン
声の出演:セス・ローゲン、クリステン・ウィグ、 ジョナ・ヒル、エドワード・ノートン、サルマ・ハエックほか
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
11月4日(金)TOHOシネマズ 六本木ヒルズ ほかロードショー。
http://www.sausage-party.jp/

Translation by Sahoko Yamazaki

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