印象の薄いアルバムの中の傑作「オーシャン(原題:Ocean)」アルバム『ロックの幻想(原題:Lou Reed)』(1972年)より
幻想的なヴェルヴェット・アンダーグラウンド後期をうかがわせるリードのデビュー・アルバムに収められた曲のひとつ。どらの音で始まるこの曲には、プログレッシヴ・ロックの雄イエスのリック・ウェイクマンがドラマチックなピアノを聴かせている。
「キル・ユア・サンズ(原題:Kill Your Sons)」アルバム『死の舞踏(原題:Sally Can’t Dance)』(1974年)より
半自伝的な内容で、教養のない両親が子供に電気ショック療法を受けさせようとする。コック・ロックのギターソロが自由に疾走する。
「警鐘(原題:The Bells)」アルバム『警鐘(原題:The Bells)』(1979年)より
崖の上に立つ男を歌ったこの崇高なジャズ・エレジーに、リードはトランペッターのドン・チェリーを招いた。当時はリード自身もまさに崖っぷちだった。
「ポジティヴ・ドリンキング(原題:The Power of Positive Drinking)」アルバム『都会育ち(原題:Growing Up in Public)』(1980年)より
暗く滑稽な酒飲み賛歌であり、自己中心的な自己弁護の歌。「酒は脳細胞を殺すと誰かが言う/どうせそうなるのなら、ベッドから出て(飲みに行ってやろう)」
「アイ・ラブ・ユー、スザンヌ(原題:I Love You, Suzanne)」アルバム『ニュー・センセーションズ(原題:New Sensations)』(1992年)より
80年代に入ってリードはサウンドをがらりと変えた。歯切れのよいファンク・ロックをベースにしたシャングリラス風のヒット狙いの曲。
「スウォード・オブ・ダモクレス — 外面的に(原題:Sword of Damocles – Externally,)」アルバム『マジック・アンド・ロス(原題:Magic and Loss)』(1992年)より
アルバムを通じて差し迫る死を直視する。癌と放射線治療を歌ったエレジー風のフォーク・ロック。冷淡さと贖罪の両面を歌った曲。
「セット・ザ・トワイライト・リーリング(原題:Set the Twilight Reeling)」アルバム『セット・ザ・トワイライト・リーリング(原題:Set the Twilight Reeling)』(1996年)より
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの短期間の再結成あたりから、アーティストのローリー・アンダーソンとの関係が発展していった。再生を歌ったこの曲はバラードで始まり、最後はアンプのボリュームが上がっていく。
「ロック・メヌエット(原題:Rock Minuet)」アルバム『エクスタシー(原題:Ecstasy)』(2000年)より
自己嫌悪と殺人的な怒りを語る。2016年にオーランドのゲイ・ナイトクラブで発生した銃乱射事件と恐ろしいほど呼応する。
「パーフェクト・デイ(原題:Perfect Day)」アルバム『ザ・レイヴン(原題:The Raven)』(2003年)より
アルバム『トランスフォーマー』にも収録されていた印象的な1曲を、エドガー・アラン・ポーへのトリビュート・アルバムで再レコーディングした。リードの遺産相続人のひとりでもあるアントニー(ヘガティ)が、アヴァンギャルドなクルーナー唱法を披露している。