レナード・コーエン、82歳で逝去

(Photo by CBS/ullstein bild via Getty Images)

50年以上にわたり活躍したカナダの重鎮シンガー・ソングライター、レナード・コーエンが82歳で逝去した。

50年以上にわたり世界中のミュージシャンに影響を与えたカナダのシンガー・ソングライター、レナード・コーエンが82歳で逝去した。コーエンが所属するレーベル、ソニー・ミュージック・カナダがコーエンの公式Facebookで発表した。

Facebookには、「歴史に残る詩人、シンガー・ソングライター、アーティストであるレナード・コーエンの死を、深い悲しみとともにお伝えします」と掲載された。「数多くの作品を残した、音楽界における最高峰のアーティストの一人を失いました。後日、米ロサンゼルスにて追悼セレモニーを行う予定です。この深い喪失に、コーエンの遺族はプライバシーの尊重を求めています」。コーエンの死因や亡くなった日付など、詳細は明らかにされていない。

コーエンは1960年代から1970年代初期にかけて、多大な影響力をもったシンガー・ソングライターの一人だった。コーエンの世代で彼を凌ぐ存在といえば、ボブ・ディランくらいしかいなかっただろう。作詞家としては、ポール・サイモンとカナダ人アーティストのジョニ・ミッチェルくらいしかコーエンと肩を並べる者はいない。コーエンの記憶に残る低音の歌声、ナイロンの弦が張られたクラシック・ギター、グリーク・コーラスがヴォーカルを際立たせる刺激的な楽曲。彼の曲には、愛や憎しみ、性と精神、戦争と平和、恍惚と絶望があふれていた。また、コーエンは彼の世代の中でも珍しく、80年代の芸術的成功を楽しんでいた稀有なアーティストで、今年のはじめにリリースしたアルバム『ユー・ウォント・イット・ダーカー』が彼の遺作となった。

「終わりだなんて思ったことはないよ」と、コーエンは1992年に語っている。「引退はもちろん、報奨金みたいなものなんてないのさ」。

Translation by Sahoko Yamazaki

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