現代のインディアン戦争:ミュージシャンが多数参加 環境保護のための戦い

By ANDY GREENE
(Photo by Albin Lohr-Jones/Pacific Press/LightRocket via Getty Images)
デイヴ・マシューズ、ジャクソン・ブラウンなどのアーティストが、インディアン居留地近くへのパイプライン建設への抗議活動を支援するに至った経緯を語る。

10月、デイヴ・マシューズは経済的に貧しい地域の学校とアーティストたちを結びつけるオバマ政権のプログラムの一環として、子どもたちとの交流とコンサートのためにノースダコタ州の農村にあるスタンディングロック・スー族の居留地を訪れた。マシューズがその学校に行くように割り当てられた時、彼は居留地の人々に加えて国中から集まった環境保護活動家たちと、テキサスを拠点とする企業であるエナジー・トランスファー・パートナーズと陸軍工兵隊が、居留地近くへの石油パイプライン建設をめぐり衝突していることを知り愕然とした。「俺はただアーティストとして自分にできることを通して、子どもたちを勇気づけたいと思っていただけだった」とマシューズは語る。「あのパイプラインに件に関わったのは全くの偶然だったんだ」。

ここ数ヶ月、スタンディングロックに関する抗議活動はクライメート・ジャスティス運動において最も注目を集める活動となっている。ゴム弾やアタック・ドッグ(犯人などを襲うように調教された攻撃犬)の使用や大量検挙を含む国家権力や民間警備による激しい抵抗を受けながらも、居留地近くに野営地を設営し、暴力で対抗せずにデモを行う人々をマシューズは目の当たりにし、すぐにこの抗議活動に加わることに決めた。「俺は報道によってこのことを知ったわけではないんだ」とマシューズは語る。「もし声なき人々がいて、彼らが筋の通った主張をしているんだったら、俺らは彼らに声を与えるために最善を尽くすべきだ」。

そのマシューズが、ノースダコタ州フォート・イエーツでスタンド・イン・ソリダリティ・ウィズ・スタンディングロック(スタンディングロックとともに戦い続ける)と銘打ったライヴをジャクソン・ブラウン、ボニー・レイット、ジェイソン・ムラーズが行うのと同日の11月27日に、ワシントンでチャリティーコンサートを開催。その収益はデモに参加する人々の野営地の防寒対策や、現地の警察当局によってその場しのぎの勾留に遭っている数十人に及ぶ人々の訴訟費用の援助に使われる。スタンディングロックの状況に関してレイットは「ゴム弾や攻撃犬には驚いたわ。そんなことをして、いったい誰が味方するのかしら」と語っている。

建設予定の1,172マイルの原油パイプラインは、当初は州都ビスマークの郊外近辺を通る予定だった。しかしその後、住民の建設を止めるための政治的な影響力が小さい地域であるスタンディングロック・スー族居留地近くへと建設予定地を変更。その距離は居留地から半マイル足らずである。パイプライン建設に反対する人々は、陸軍工兵隊が完全な環境影響評価書を準備せずにプロジェクトを進めたのは違法だと主張している。「陸軍が巨大ビジネスと結託しているのは大きな驚きだ」とブラウンは語る。「これはウンデット・ニーや20世紀に起こった数々の虐殺に続く、現代のインディアン戦争だ。そしてこれは、彼らだけの戦いではないんだ」。

この抗議活動の主な目的はオバマ大統領にパイプライン建設の完全な中止もしくは建設地の移転を陸軍に命じる命令書を発行させることである。「でももうすぐトランプがこの国の舵取りをすることになるんだ」とブラウン。「それまでにどれだけの時間が残されている?」そんな不利な状況にあっても、レイットは戦い続ける決意を固めている。「絶対にあきらめない」と彼女は語る。「選択の余地なんてない。普通に息をして、水を飲んで、平和に暮らしたいって思うのは当然でしょ。今がこの戦いの正念場なの」。



Translation by Yu Sekine

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