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ルー・リード、最後の声明:ソロ・アルバムのリマスター制作秘話

WILL HERMES | 2017/01/04 16:00

| Photo by Jorgen Angel/Redferns |

人生の最後、シンガー・ソングライターのルー・リードは、新たなボックスセットを作るべく自身のソロ作品を振り返る日々を送っていた。

2013年6月、彼が死去するちょうど数カ月前のこと。ルー・リードはニューヨークのマンハッタンにあるマスターディスク・スタジオで、友人や共同プロデューサーのハル・ウィルナー、ロブ・サントスらとともに座っていた。ずっとやりたかったプロジェクト、RCA&アリスタ時代のソロ・アルバムのリマスターを進めるためだった。リードは機材にうるさく、体が衰えていたにもかかわらず、毎日スタジオにやってきては自身がこれまで作ってきたものを楽しみ、また吟味していた――デヴィッド・ボウイが施した『サテライト・オブ・ラヴ』(『トランスフォーマー』収録)のヴォーカルアレンジに驚嘆、『レディ・デイ』(『ベルリン』収録)に対して拳を突き上げ、バイノーラル音響でレコーディングされたスペースジャズ風『警鐘』(『警鐘』収録)の世界に浸りきった。「ルーはレコードを"再発見"することに楽しみを見出していたんだ」とウィルナー。「その間、彼といっしょに部屋にいられること――ワオ。僕は世界でいちばん幸せなやつだと思った」

リマスターは17枚のボックスセットで、その秋にリリース予定だった――リードの体調が悪くなり、プロジェクトが中断されるまでは。彼の死去にともない、アーカイヴ制作者のドン・フレミングとジェイソン・スターンが、リードの妻・ローリー・アンダーソンと共同でボックスセットに付随する本を完成させた。この本はLPサイズのハードカバーという仕様で、思い出の品々、レアな写真などからなっている。これらは、『LOU REED - THE RCA & ARISTA ALBUM COLLECTION』となって2016年10月7日にリリースされた。1972年から86年までをカヴァーしたこのセットは、レコード会社がアーティストの過去作品をいかに扱うべきか教えてくれる、実例となるものだ。「待っててよかったよ。だって、よりいい形でリリースできたからね」とサントス。
Translation by Shinjiro Fujita

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