FF生みの親、坂口博信ロングインタヴュー:XV制作秘話や、リメイク、鳥山明を語る

By James Mielke
大ヒットRPGゲーム『ファイナル・ファンタジー』シリーズの生みの親として知られる坂口博信。(Photo by Will Ireland/Edge Magazine via Getty Images)
サーファーであり、ミュージシャンでもある『ファイナル・ファンタジー』の生みの親、坂口博信が、最新作『ファイナル・ファンタジーXV』の制作裏話はもちろん、スクウェア・エニックスとの関係修復、自身が影響を受けた作品、そして鳥山明とのエピソードなどを語った。

坂口博信が87年に制作を手掛けたロールプレイングゲームの金字塔、『ファイナル・ファンタジー』の制作現場から離れてから12年が経過した。累計1億本以上の売り上げをもたらし、複数のシリーズ作品を成功に導いたものの─ピークは96年発売の『ファイナル・ファンタジーVII』─結局、初めて監督した映画の失敗を帳消しにすることはできなかった。全編CGの映画『ファイナル・ファンタジー』は世界で大コケし、興行成績は全く振るわず、スクウェアの財布に大きな穴をあけてしまった。その結果、スクウェアはライバルのエニックスと03年に合併せざるを得なくなったのだ。

坂口は、04年に同社を退社すると、自身のスタジオ、ミストウォーカーを発足させた。ミストウォーカーが、坂口にとって初めてスクウェア以外のRPG作品となる『ブルードラゴン』をMicrosoftのXbox(日本では不人気であった)で発売する契約を明らかにし、ファンの怒りを買ったことは有名だ。その後、ハワイに移住し、複数のDSのゲーム、新たなRPG(任天堂の『ラストストーリー』)、大ヒットしたモバイルゲーム(『テラバトル』)、さらには、スマートフォン向けのサーフィンゲーム『パーティーウェーブ』を発売した。

波乱万丈という言葉がピッタリと当てはまる。そこで、今年(16年)の夏、私達は六本木ヒルズにあるミストウォーカーのスタジオにお邪魔し、学校をさぼって映画を見に行った学生時代、ミュージシャンを夢見ていた時代、スクウェア・エニックスとの和解(または、和解未満)、そして、坂口が始めたゲームシリーズの最新作『ファイナル・ファンタジーXV』について話を聞いてみた。

ー16年の3月、『ファイナル・ファンタジーXV』のイベントの壇上に現れ、オーディエンスを驚かせましたね。坂口さんとスクウェア・エニックスとの関係が修復された結果、この企画が実現したようにみえました。この考えは正しいのでしょうか?

難しい質問だね。正直に答えた方がいいのかな。スクウェア・エニックスの立場なら、会社として僕と距離を置くのは当然なんだ。当たり前だけど、あの会社のスタッフに対して僕は大きな影響力を持っていたんだ。ビジネスと成長を続ける必要がある会社にとっては、これは必ずしも良いこととは言えないよね。このような展開になった理由はよく理解している。でも、15年が経過して、今、スクウェア・エニックスで働き、『ファイナル・ファンタジー』のゲームを作っているスタッフは、僕がいた頃とは違うから、僕の影響力は以前ほど強くはないよ。

新しい時代の幕開けとして、これが和解を意味するとは僕は言わない。だけど、新しい『ファイナル・ファンタジー』の成功と、復帰と捉えられてもおかしくない僕の行動とを関連づけられることをスクウェア・エニックスは恐れているんだと思う。まるで僕がゲームに何らかの影響を与えている、もしくは、開発に関わっているかのように見えるかもしれないからね。だから、このシリーズの最初のクリエイターとして時々僕に姿を見せてもらいたいだけだと思うよ。

ーそれでは、どちらかというと、認めている、という感じですか?

そうだね。

ーどのようば経緯で今回の企画は実現したのですか?

田畑さんと3回くらい食事を一緒にしたんだ。田畑さんは、今回みたいにインタビューをしたかったみたいだ。『ファイナル・ファンタジー』の誕生について話して欲しかったんだよ。彼は当時会社にいなかったからね。つまり、『ファイナル・ファンタジー』のバトンを引き継いでから、初期のゲームに関して話をする人物として誰が適しているのかを考えるようになり、最終的に僕に白羽の矢が立ったのさ。何度か夕食を一緒に取って、話をしているうちに、田畑さんの考えを気に入ったと言ったんだ。彼は『ファイナル・ファンタジーXV』を影響力のある作品にすべく全力を尽くしていたよ。ある日、食事を取った後、田畑さんは僕にステージに上がって、田畑さんのチームが難題に取り組んでいることを伝えてもらいたいと頼まれたのさ。田畑さんは、この行動がとても刺激的であり、彼の開発チームを一つにまとめる効果があると考えたんだ。
Translation by Kensaku Onishi

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