2016年の人気洋楽アルバム・ベスト10

6位 レディオヘッド『ア・ムーン・シェイプド・プール』
(原題:Radiohead, ’A Moon Shaped Pool’)

キャリア史上最長となるブランクを経て、レディオヘッドは本作『ア・ムーン・シェイプド・プール』で見事なカムバックを果たした。『バーン・ザ・ウィッチ』『デイドリーミング』等に代表される憂いを帯びた曲群は、数え切れないほどの悲劇に見舞われた2016年のムードと図らずもシンクロした。完成までに長い年月が費やされ、満を持して本作に収録された『トゥルー・ラヴ・ウェイツ』、そして『プレゼント・テンス』はまさに珠玉の出来だ。本作の発表に際して彼らが一切インタビューを受けなかったのは、その音楽が彼らの思いを何よりも饒舌に語っているからだ。

5位 ザ・モンキーズ『グッド・タイムズ!』
(原題:The Monkees, ’Good Times’)

2016年の年間ベストランキングに、ザ・モンキーズのアルバムが選出されることを予想できた人は多くないはずだ。1968年の『ザ・モンキーズ / 恋の合言葉 HEAD !』のサウンドトラック以降、リリースされた作品はどれもお粗末だったと言わざるを得ない上に、デイヴィー・ジョーンズを失った他のメンバーたちはノスタルジーにどっぷりと浸ってしまっていた。彼らの才能を再び目覚めさせるには変化が必要だと感じたライノ・レコーズは、本作のプロデューサーにファウンテインズ・オブ・ウェインのフロントマンを務めるアダム・シュレシンジャーを迎え、リヴァース・クオモ、ノエル・ギャラガー、ベン・ギバード等に楽曲提供を依頼した。本作は誰も予想だにしなかった完成度を誇り、中でもギバードによる『ミー&マグダレナ』はバンド史上屈指の名曲だ。

4位 グウェン・ステファニー『ディス・イズ ・ホワット・ザ・トゥルース・フィールズ・ライク』
(原題:Gwen Stefani,’This Is What the Truth Feels Like’)

2004年の『ラヴ.エンジェル.ミュージック.ベイビー.』、そして2006年の『スウィート・エスケイプ』のソロ2作が大ヒットしたにもかかわらず、(英断だったかどうかは疑問だが)以降の彼女はノー・ダウトとしての活動に再び専念していた。ソロ3作目となった本作がリリースされるまでの10年間で、彼女がかつての勢いを失ってしまったことは否めない。『ザ・ヴォイス』を通して大々的に宣伝されたにもかかわらず、本作『ディス・イズ ・ホワット・ザ・トゥルース・フィールズ・ライク』からのシングル曲群は、Hot 100において最高52位にとどまった。それでも本作が堂々の4位に選出されたことは、ステファニーのコアなファンたちが今作を高く評価していることを物語っている。

Translation by Masaaki Yoshida

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