世界を挑発し続けるN・W・レフン監督が影響を受けた映画3選

By Manabu Soma
ニコラス・ウィンディング・レフン監督(写真右)と主演のエル・ファニング(写真左)(C)2016, Space Rocket, Gaumont, Wild Bunch
ハイファッション業界に巣食う欲望を生々しく描き出し、カンヌ国際映画祭を騒然とさせた注目の新作『ネオン・デーモン』。この問題作を放ったニコラス・ウィンディング・レフンは、2011年の『ドライヴ』でカンヌ映画祭監督賞を受賞して注目されたデンマークの鬼才。その後も『オンリー・ゴッド』、そして『ネオン・デーモン』と、エネルギーに満ちた作品を放ち続けている。アーティスティックであることに揺るぎないこだわりを持ち、世界を挑発し続けている、そんなレフン監督が影響を受けた3本の映画を語る。


N・W・レフン監督が影響を受けた映画3選


『悪魔のいけにえ』(1974年)

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子どもの頃からホラー映画が大好きで、1970~80年代の作品は浴びるように見た。『ネオン・デーモン』にも、その影響が表われていると思う。ダリオ・アルジェントの『サスペリア』やジョン・カーペンターの映画の類似を指摘されるのもわかるし、それらは確かに好きな作品だ。しかし、何よりも僕に影響をあたえているのはトビー・フーパーの『悪魔のいけにえ』だろう。何度繰り返して見たか、わからない。キャラクターはまったくアブノーマルだけれど、映画自体ノーマルな作品ではない。神経を逆なでするような映像は、見る人によっては嫌悪するだろう。一方で名作と呼ばれているのは、そんな強烈さがあるからこそ、だ。

2003年にリメイクされた『テキサス・チェーンソー』は見ていない。『悪魔のいけにえ』は完璧すぎるので、見る必要がないと思ったからだ。『ドライヴ』のあとに、僕の元にもハリウッドから監督の依頼が来るようになり、ホラー映画のリメイク企画もいくつかあったが、すべて断った。完璧な作品を今さら作り変える必要はない。必要のないことに時間を費やすくらいなら、他に撮りたい映画があるからね。


『スコピオ・ライジング』(1963年)

(c) Kenneth Anger


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アップリンク
(c) Kenneth Anger

ケネス・アンガー監督は実験映画の鬼才として知られているが、作品を作る上で何事も恐れない点は本当に凄いと思う。『スコピオ・ライジング』には、フェティッシュであることを突き詰めた、そんな勇気を見ることができる。僕が映画をつくるうえで、もっとも影響を受けた作品と言えるだろう。2008年に撮った『ブロンソン』は、『スコピオ・ライジング』なしには作れなかった。ある意味、『ドライヴ』もそう言える。

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