ラモーンズが『ザ・シンプソンズ』に登場した歴史的エピソードを振り返る

不機嫌なミスター・バーンズに『ハッピーバースディ』を歌ったラモーンズを振り返る。

ラモーンズの名前を一般層に知らしめた1993年放送の『ザ・シンプソンズ』のエピソードを振り返る。

ラモーンズ・マニアの中には、1947年にバンドがCBGBに出演し始めた頃からその動向をチェックしているという人もいるだろう。その2年後に発表されたデビューアルバムや、1977年にマイナーヒットを記録した『シーナはパンクロッカー』『ロッカウェイ・ビーチ』で彼らのことを知った人も少なくないはずだ。1979年に公開された映画『ロックンロール・ハイスクール』で彼らの虜になった人や、1989年にMTVでヘヴィローテーションされた『ペット・セメタリー』で遅ればせながら彼らを知った人も多いに違いない。

しかしラモーンズのファンの大半、特に80年以降に生まれた人々にとっては、1993年10月に放送された『ザ・シンプソンズ』のエピソードこそが、彼らとの出会いだったに違いない。ミスター・バーンズが子供の頃に愛したテディベアのボボを探し求める、番組史に残る名エピソードのひとつとして語り継がれている『Rosebud』(タイトルは『市民ケーン』にちなんでいる)に登場したことで、バンドの知名度は飛躍的に向上した。億万長者のバーンズのバースディパーティーに登場したラモーンズの役目は、オーストラリア全土に配されたキャンドルが浮かび上がらせた「Happy Birthday」の文字にも笑みひとつ浮かべない彼を喜ばせることだった。

「この若者たちはきっと何かやらかしてくれるはず!」と前置きした上で、スミザーズはこう告げる。『レディース・アンド・ジェントルマン、ザ・ラモーンズ!』(彼がラウドで攻撃的なパンクバンドがミスター・バーンズを喜ばせると考えた根拠は不明)「おぉ」バーンズは椅子にもたれかかってこう話す。「この若者たちは私の苛立ちを鎮めてくれるに違いない」しかし彼の期待はあっさりと裏切られる。「このギグはクソだ」開口一番そう言い放ったジョーイ・ラモーン(ジョニー、マーキー、C.J.を含むメンバー全員が実際に声で出演している)に続き、ジョニーの「くたばれスプリングフィールド!」という合図とともに、バンドはパンクな『ハッピーバースディ』を演奏する。終演後にはC.J.が「地獄に落ちろクソジジイ!」という強烈な一撃を放つ。

Translation by Masaaki Yoshida

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