ザ・ローリング・ストーンズ、80年代の人気ソング・ベスト10

8位 『リトルT&A(原題:Little T & A)』


ストーンズには、『悪魔を憐れむ歌(原題:Sympathy for the Devil)』のように意味深な歌詞の曲もあれば、『リトルT&A』のようにキースが、あるグルーピーの"乳と尻(Tits & Ass)"のことを3分間ひたすらわめき続けるような曲もある。この曲は前年にリリースされたアルバム『エモーショナル・レスキュー』の頃に作られたが、アルバム『刺青の男』まで日の目を見なかった。この曲がリリースされる頃、キースは将来の伴侶パティ・ハンセンと付き合っていたが、彼女はもちろんこの曲を気に入らなかった。キースの2人の娘たちはお気に入りだというこの曲は、1982年以来セットリストから消えていたが、2006年にビーコン・シアターでのライヴで復活し、マーティン・スコセッシ監督ドキュメンタリー映画『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト(原題:Shine a Light)』で観ることができる。

7位 『ミックスト・エモーションズ(原題:Mixed Emotions)』


1989年春、ミック・ジャガーとキース・リチャーズは関係修復のためにバルバドスを訪れ、その夏に予定されていたツアーに合わせて急ぎアルバム用の曲作りに入った。『ミックスト・エモーションズ』は特に典型的な共同作品と言える。キースがソロ曲『ユー・ドント・ムーヴ・ミー(原題:You Don’t Move Me)』でジャガーを"貪欲なケチ野郎"と激しく攻撃したのに対抗した歌詞を、ミックが書いている。「この曲には多くの非難の応酬が詰め込まれている」とミックは語る。アルバム『スティール・ホイールズ』からのファースト・シングルで、ラジオやMTVを賑わした。にも関わらず、1990年以来この曲は1度しかライヴで演奏されていない。

6位 『氷のように(原題:She’s So Cold)』


1970年代後半のある時、ミック・ジャガーが振られた"とても愛らしい美人"が誰なのかは不明だが、ジャガーに影響を与えた彼女がこの曲のインスピレーションになっているのは間違いない。「彼女の心にまた火を付けて/もう一度夢中にさせたい/彼女のエンジンは止まったまんまだ」とミックは歌う。このようなシチュエーションをミックはそれまで経験したことがなかったはずだ。アルバム『エモーショナル・レスキュー』からのセカンド・シングルは、イギリスで33位と、当時の彼らにしてはかなり低調な結果に終わった。一般受けしなかったものの、この曲はジャガーのお気に入りで、今なおライヴのセットリストに入っている。

5位 『アンダーカヴァー・オブ・ザ・ナイト(原題:Undecover of the Night)』


アルバム『刺青の男』の予想外の成功で自信をつけたストーンズは、1982年後半、アルバム『アンダーカヴァー(原題:Undecover)』の制作に取りかかった。当時の南アメリカでの酷い人権侵害にインスパイアされ、ジャガーがタイトルトラック『アンダーカヴァー・オブ・ザ・ナイト』を書いた。「すべての若者が集められ/ジャングル奥地の収容所へ送られる/みんながデタラメなことを言っていると噂する/誇り高かった父たちも縮こまる」と歌う。アルバム・リリース後にツアーを行わなかったこともあり、この曲はアメリカで9位にまで上ったが、あっという間にチャートから落ちた。しかし1989年のツアーではセットリストの常連曲となり、その後2006年のビーコン・シアターでのライヴまで繰り返し演奏された。

Translation by Smokva Tokyo

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