マリオの生みの親、宮本茂インタヴュー:ゲーム制作の真髄、アップルとの取り組み

By John Davison
(Photo by John Lamparski/Getty Images)

ー数年前にはゲーム制作を一時的に離れる、もしくは引退もありえると語っていました。これまでやってきたことから完全に離れることは可能だと思いますか?

引退については、私が意図したこととは違う意味でとられてしまいました。その時に私が話したのは、会社の若手たちにもっとリーダーシップをとるチャンスを与えるということでした。私が全てをリードするのではなく、新しい仕事を彼らに任せたいと思っていたのです。それが私が引退すると言ったかのようにとられてしまいました。

スイッチの開発をリードしてくれた若い社員たちがいますし、実際この計画を推し進め、システムをデザインしたのは彼らです。彼らがこの構想を管理し、育ててきたのです。そのため、私がフォーカスすることを許されたのは『スーパーマリオ ラン』やユニバーサルのテーマパークだったのです。これからも、これらのような何か新しくて楽しいことをやっていく機会を求め続けますよ。



アップル社と仕事をするのはどうですか?どのように『スーパーマリオ ラン』でのパートナーシップの話が持ち上がったのですか?アップルは通常彼らがひとつのゲームに対してする以上の協力をしていますね。

私たちとアップル、両社にとって幸運なタイミングでした。任天堂サイドとしては携帯電話業界への進出を考えてはいましたが、マリオのゲームをスマートフォン用に開発するかどうかは決めかねていたんです。"スマートフォン向けに開発するなら何か"という議論があった際に、マリオのゲームはスマートフォンの中でどのようなゲームであるべきかを考えたんです。いくつかの実験をし、ベースとなるアイデアを決定しました。そしてそれをアップルに見せたんです。

アップルに持っていった理由のひとつは、ゲームが私たちの期待通りに動くかどうかという点で、開発サポートを必要としていたことです。任天堂はいつもユニークな試みをしてきました。そしてビジネス面でも、なにか他とは違ったことをやりたいと考えていたのです。無料でプレイできるようにすることは当初は避けたいと考えていました。しかし私たちが本当にやりたいと思うことを実現するために、"最初は無料でゲームの楽しさを味わってもらい、全部をプレイするためには9.99ドルを払ってもらう"というモデルについて、実際にゲームを売っている人たちに意見を求める必要がありました。アップル・ストアの人たちは最初、"最初は無料でプレイできるようにする"というアプローチがよいと教えてくれました。しかし私はアップルは任天堂と非常に似た哲学を持っているという印象を持っていたんです。一緒にプロジェクトを進めていくにつれてそれが真実であることに気がつきましたし、アップルの側も新しいことをすることに非常に好意的に受け止めてくれました。
Translation by Yu Sekine

RECOMMENDED

TREND