1970年代初期を代表する20曲

By KEITH HARRIS
マーヴィン・ゲイ、エルトン・ジョン、キャロル・キングなど、ニクソン大統領時代を代表する20曲 Michael Putland/Gettyimages, Terry O'Niell/Gettyimages, Jim McCrary/Gettyimages
エルトン・ジョンやマーヴィン・ゲイなど、ニクソンの時代を彩った必聴の名曲をラインアップ。

2世代ほど前のポップ・ミュージックの歴史を辿る時、その曲が書かれた時代の風潮をつい忘れがちになってしまう。複雑な文化的バブル状態だった70年代初頭の西欧カルチャーにおいては、ポップでエンターテイメント性が高く、良くも悪くも印象に残る音楽がヒットチャートを賑わした。ここに列挙した70年代の代表曲は、当時のDNAをたっぷり吸収している。テレビよりもラジオの影響力の方がまだ大きかった時代で、永遠に続くと思われたカルチャー戦争の始まりでもあった。新たなカルチャーを持つ人種が出現し、時代を反映したポップ・ミュージックが流行し始めた最高の時代だった。そんな70年代初期を振り返り、時代を代表するおすすめ曲を見てみよう。

ジェームス・ブラウン 『セックス・マシーン』(1970年)
(原題:Get Up (I Feel Like Being a) Sex Machine)


70年代は西欧にとって最もセクシーな時代だったと言える。産児制限運動が収まり、AIDS問題が勃発する以前の60年代のユートピア的ファンタジーがそのまま、想像を超えた可能性の世界へと飛び込んだ。ジェームス・ブラウンは、卑猥さをシンプルでキャッチーなグルーヴに自由奔放に乗せ、男女の忍耐力とバイタリティを表現した大ヒット・シングルを出した。若くやる気のみなぎった給料の安い新しいバンドJ.B.’sには、ブーツィ・コリンズ(ベース)とキャットフィッシュ・コリンズ(ギター)の兄弟のほか、ジャボ・スタークス(ドラム)が参加した。ボビー・バードは、ジェームス・ブラウン・オーケストラの分厚いホーンセクションをフィーチャーした『Give It Up or Turnit a Loose』の再アレンジ・バージョンで、ハイプ・マンとしてブラウンと奇跡の即興を繰り広げた。

ジャクソン5 『アイル・ビー・ゼア』(1970年)
(原題:I’ll Be There)


1969年のヒットシングル『帰ってほしいの(原題:I Want You Back)』でメジャー・デビューしたジャクソンズ(ジャクソン5)は、その勢いのまま『ABC』、『小さな経験(原題:The Love You Save)』と立て続けにヒットを飛ばし、モータウン(レコードレーベル)の次世代を担う新たな希望の光となった。続いてリリースしたグループの最初のバラード曲『アイル・ビー・ゼア(原題:I’ll Be There)』は、その後10年以上に渡りモータウン・レーベルの歴史上空前のベストセラーとなった。献身的な永遠の愛を歌える10歳そこそこの子供など、マイケル・ジャクソンをおいて他にはいなかった。マイケルのパフォーマンスは、子供らしくおとなしい甘さを見せる反面、大人顔負けの爆発的な激しさも表現した。曲のクライマックスでマイケルが、フォー・トップスの『アイル・ビー・ゼア』へのオマージュと思われるフレーズ「振り返れば俺はそこにいるぜ、ハニー!」を叫ぶ姿は、その後スーパースターとなるマイケルの姿を予見させた。
Translation by Smokva Tokyo

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