映画で見るカート・コバーン:その生涯を描いた映像作品の数々

公式コンサートムービー (1993-2011年)
(原題:"The Authorized Concert Films"1993-2011)


3枚のアルバムと散漫なコンピレーション1枚を残してニルヴァーナは消滅したが、その後20年の間に発表されたバンドの公式コンサートムービーの数々は、ファンにとってかけがえのない宝物となっている。中でもとりわけ秀逸な、コバーンの繊細なソングライティングが際立つ『アンプラグド・イン・ニューヨーク』、そして今や伝説となっている1992年のレディング・フェスティバルでのライブを収めた『ライヴ・アット・レディング』はDVDがリリースされている。

2004年作『ウィズ・ザ・ライツ・アウト』のDVDに収められたバンドのリハーサル風景、1994年発表のライブ映像コンピレーション『ライヴ!トゥナイト!ソールド・アウト!』、そして『ネヴァーマインド』の再発に伴う形で発表された16ミリムービー『ライヴ・アット・ザ・パラマウント』もファン必見の内容となっている。また長年入手困難となっていた、1993年の大晦日にMTVで放送された『ライヴ・アンド・ラウド』の映像も、最近になってDVDがリリースされている。


『COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック』(2015年)
(原題:"Kurt Cobain: Montage of Heck"2015)


ブレット・モーゲンがコートニー・ラブの全面協力を得て制作した本ドキュメンタリーは、2014年1月にサンダンス映画祭でプレミア上映されると同時に、あらゆる方面から賞賛を集めた。本邦初公開となる痛ましいホームビデオ映像やプライべートのデモテープ、彼が残した日記や絵画、そして親しい友人や家族のインタビューまで収録した本作は、カート・コバーンという謎めいた人物の素顔をかつてなくリアルに描き出した。彼の生涯をテーマとする映像作品の決定版と言える本作は、音楽ドキュメンタリー史上屈指の名作でもある。本作はコバーンの生涯を描いた『ギミー・シェルター』だ。

Translation by Masaaki Yoshida

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