ローリングストーン誌が選ぶ、2016年発売の再発盤ベスト10

6位:ビッグ・スター 『コンプリート・サード』
(原題:Complete Third)


この3枚組CDセットはロック・アルバムの決定版であり、最も悲惨な運命を辿った作品のリイシュー盤で、デモ、ラフ・ミックス、ファイナル・マスターが収められている。汗と涙を流し、神経をすり減らしながら作品として仕上げた過程の全てを追うことができる。ビッグ・スターに最後まで残ったメンバーであるアレックス・チルトンとジョディ・スティーヴンス、それにプロデューサーのジム・ディッキンソンが、前衛的なポップ・ミュージックと勢いのあるファンクとストレートなロマンティックさが詰まった贅沢なコンテンツを実現させた。

5位:ベティ・デイヴィス 『ザ・コロンビア・イヤーズ 1968〜1969』
(原題:The Columbia Years 1968-1969)


マイルス・デイヴィスの元妻でR&Bシンガーであるベティ・デイヴィスによる1969年のセッション。当時の夫マイルスが共同プロデューサーとして参加している。結婚生活の終わりと共に音源はお蔵入りになっていた。マイルスのアルバム『ビッチェズ・ブリュー(原題:Bitches Brew)』にも名を連ねたミュージシャンたちや、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスのリズムセクションも参加したこのセッションは、現在でもエロスとエッジが音を立てて絡み合う。

4位:R.E.M. 『アウト・オブ・タイム:デラックス・エディション』
(原題:Out of Time: Deluxe Edition)


80年代のアメリカで最高のバンドR.E.M.が、デビューから約10年経った1991年にリリースしたアルバム『アウト・オブ・タイム』は、フォーク・ロックのモダニズムと複雑な感情を表現したナンバー1ヒットだった。デラックス・エディションには、デモやライヴ音源も収録され、アルバムの成り立ちが明らかになっている。まさに(オリジナル・アルバムのリリースから)25周年の記念パーティにぴったりの作品である。

Translation by Smokva Tokyo

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