ロンダ・ラウジー:スーパースターがUFC 207にすべてを賭ける理由

By Mike Bohn
勝っても負けても、アマンダ・ヌネスとの復帰戦は謎に包まれている。(Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)

「常に勝ち続けることだけが、みんなにとって最高のことではないのかもしれない」とラウジーは語った。「誰だって、倒れてから起き上がった経験があるはず。誰も見ていなかっただけで、私にもそういうことはあった。私は倒れてから起き上がる見本になればいいのかもしれない。もしかすると、それが私のやるべきことなのかもしれない。実は私は、まだ無敗のままだと本気で信じている。だって、負けを認めるのも自分の選択の結果でしょう。誰だって人生で負けることはあるけれど、私はいつでも、負けを認めないようにしてきた」

ラウジーの敗戦との向き合い方は、MMAの枠を越えたもう1人のスーパースター、コナー・マクレガーとは好対照をなしている。"ザ・ノートリアス"ことマクレガーは、3月のUFC 196でネイト・ディアスに完敗を喫したのだが、結果に落胆することなく、大会後の記者会見に姿を見せ、全ての質問に真摯に答え、もっと強くて危険なファイターに進化して戻ってくることを誓ったのだった。

皮肉なことに、マクレガーもまた、7月のUFC 200で予定されていたディアスとの再戦に先立つメディア対応を回避しようとしたが、記者会見に欠席したことを咎められ、試合をキャンセルされてしまったのだった。結局マクレガーは8月のUFC 202で再戦を行い、マジョリティ判定勝ちで雪辱を果たした。

敗戦との向き合い方は選手によってまちまちではある。しかしマクレガーのやり方は、彼の人気の爆発につながった。一方ラウジーの場合には、ファンの間でも是非があった。もっともラウジーは、そんなことは意に介していないようだ。とにかくオクタゴンに復帰し、かつて自分の手中にあったベルトを取り戻すことが全てだからだ。

ラウジーの報道規制は、彼女の復帰戦に対する好奇心や興味を増した面もあるのかもしれない。しかし、気が散らないように、集中力を保つようにそうしているのか、それともホルム戦に負けて以降の出来事についての厳しい質問に精神的に耐えられないからそうしているのか、そのどちらかなのかは分からない。

ラウジーはUFCの公式ソーシャル・メディアには出演したほか、UFCのペイ・パー・ヴュー大会の前に必ず放送されるプレヴュー番組『Countdown to UFC 207』にも軽く出演し、さまざまなコメントを残している。ラウジーは、敗戦以来ひどい批判を受けてきたと語り、自分でもいまだに、無敗のまま終われたであろう自分の死を悼んでいると語っている。しかし、ラウジーは暗闇にも一陣の光がさしていて、MMAの頂点を再び極めたいという希望を持ってその光を追いかけているのだと語り、近い将来MMAを引退するのではないかとのウワサを一蹴している。

「私のことを信じてくれた人のためにタイトルを取り戻したい」とラウジーは語る。「私はこれまで、生涯を掛けてタイトルのために戦ってきた。全てがタイトル次第だし、全てがタイトルに掛かっている。格闘技は私の人生。私は再び勝たなければならない」

ラウジーにとってUFC 207は、オクタゴンで対峙する対戦相手ではなく、あくまで自分との戦いだ。女子バンタム級のタイトルは、ロンダがいない13か月の間に、ホルムからミーシャ・テイトへ、そしてヌネスへと受け継がれてきた。しかしラウジーは、このベルトは今でも本来は自分のものだと感じている。そしてそのことを、試合で証明してみせるつもりだ。

「いろんなことがあって、今回の私には、はっきりさせないといけないことがたくさんある」とラウジーは語っている。「私はプレッシャーの強い場面での経験が(ヌネスより)豊富だ。そして、このプレッシャーは格別だ。私は今でも、世界最強のファイターだ」。



Translation by Tetsuya Takahashi

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