ミック・ウォール著『Love Becomes a Funeral Pyre』において、ボトニックはそのエピソードについてこう述べている。「(ジムは)通りを挟んだカトリック教会のBlessed Sacramentに向かい、そこで啓示を受けたと話していた。彼はスタジオに戻ってきたが、ゲートは施錠されていた。彼はゲートを乗り越えて侵入したが、コントロールルームには鍵がかかっていて中に入ることはできなかった。しかしスタジオスペースは開放されていて、赤いランプの光がジムの目に映った」陶酔状態にあったモリソンの脳は、その赤い光を炎として認識した。「スタジオが燃えていると勘違いした彼は、吸殻が山のように積もった灰皿をなぎ倒し、消火器を噴射した」
しかし、マンザレクの記憶は少し違うようだ。彼の自伝『Light My Fire』によると、モリソンのガールフレンドだったパメラ・カーソンの車で自宅へと向かう途中、彼は火事が起きていると騒ぎ始めたという。モリソンの執着ぶりに観念したカーソンは不本意ながら引き返し、スタジオに到着するやいなや、モリソンはフェンスをよじ登って中に入っていったとされている。「場所がコントロールルームじゃなかったのは不幸中の幸いだった。ジムの目には俺たちの機材が燃えているように見えていたんだろう」結果として、フルサイズのハープシコードを含むバンドの機材の大半がスクラップになったという。