ロジャー・フェデラー:テニス界のレジェンドにまだ力は残っているのか?

By Andrew Eichenholz
2016年は怪我に泣いた、現在35歳のロジャー・フェデラー (Photo by Quinn Rooney/Getty Images)

しかしながら、フェデラーは35歳であり、2000年の全豪オープンから2016年の全豪オープンまで実に65のグランドスラム大会に連続出場した超人的な強靭さはもう持ち合わせていない。2013年には背中の怪我の影響を隠すことができず、2002年以来続いていた連続でのグランドスラム決勝出場も途切れた。しかし昨年は"スイス・マエストロ"にとって間違いなく最もタフなシーズンであった。全豪オープン準決勝の翌日に起きた不慮の事故による半月版損傷で、残りのシーズンをほぼ棒に振った。
フェデラーは全仏オープンに欠場しただけでなく、ウィンブルドン選手権の準決勝まで戦った後、残りの全試合を怪我からの回復のために欠場している。「体、特に膝に休養が必要なんだ」とニューヨーク・タイムズ紙の取材に対し語ったフェデラー。「振り返ってみて思うよ。"今がうまくいっていなくても、これまででできることは全てやったんだ。後悔はない"ってね」

フェデラーとプイユのセッションは特に見所のないものだったが、ある考えが私の頭によぎった。フェデラーはテニス界に多大なる貢献をしてきた。しかし、これから貢献できるだけの分はどれだけ残っているのだろう?

フェデラーは2012年以降、グランドスラムでの優勝はしていないし、決勝進出も3回しかない。グラウンドストロークにかつてのような鋭さはないし、ワルツを思わせるようなしなやかな動きから繰り出される爆発力も影を潜めている。このテニスの魔術師が世界ランキング20位以内を維持するには、少なくとも昨年の全豪オープン以来となるグランドスラムでの準決勝進出を果たさなければならないだろう。

ただ、フェデラーの今後に懐疑的になるのはまだ早すぎる。この男はとてつもなく長い間高いレベルでのプレーを維持してきたし、そのひたむきさも変わることがない。彼はその才能をずっと証明し続けてきた。2001年のウィンブルドンで、当時4連続優勝を記録するなど無敵のピート・サンプラスを弱冠19歳にして破ったときのことが思い出される。彼は突然出てきた選手ではない。ずっとその実力を知らしめてきたのだ。サンプラスもフェデラーの才能を身をもって思い知ったひとりである。

「若手がどんどん台頭してきている。ロジャーもそのひとりだが、彼の才能は他の者たちより一歩抜きん出ている」。とサンプラスは前述の試合の後に述べている。

若いプレイヤーが、そのスポーツを牽引していくことはそうあるものではない。さらにフェデラーは、同世代から常に尊敬される存在だった。
Translation by Yu Sekine

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