ロジャー・フェデラー:テニス界のレジェンドにまだ力は残っているのか?

By Andrew Eichenholz
2016年は怪我に泣いた、現在35歳のロジャー・フェデラー (Photo by Quinn Rooney/Getty Images)

「みんなが彼の背中を追っていると思うよ」。2003年の全米オープンの覇者アンディ・ロディックは、2005年全米オープン前のトーナメントでフェデラーに敗れた後にそう語った。このときはまだ、ロジャーのグランドスラム優勝は5回である。「彼がトップを走っている。そして彼のあとを自分を含めた4~5人が追ってるって感じかな。彼を倒すにはその4~5人で力を合わせてやっつけにかかる必要があるだろう。テレビの戦隊シリーズのあれみたいにね」。

フェデラーの力はキャリアの初期から圧倒的な輝きを見せており、全盛期に入る前にすでに過去の名選手との比較対象になるほどだった。前述の2005年の大会で当時23歳のフェデラーに敗れたロディックに、記者は次の質問を投げかけた。「彼が史上最高の選手となる可能性はあると思いますか?」

「君はその可能性は十分にあると思っているようだね」フェデラーはその記者にそう返答した。「時が経てばわかる。彼が向上し続ければ、その可能性は十分にある。彼に勝てる奴なんてそうはいないさ」。

もう一度言うが、彼は当時23歳だった。その時から彼は、自身が10年に1度なんてものではない、100年に1度の逸材であることを証明していた。そしてその後のキャリアも十分にそれに説得力を与えるものとなった。あれから10年以上経った今でも、80万人の人々が彼の練習風景を目撃しようとパソコンやスマートフォンでせっせ検索しているのである。

おそらくこのセッションのハイライトは、フェデラーがなぜ多くのファンを魅了し続けているのかを示してくれたことだろう。サーブのウォーミングアップをしているとき、フェデラーはカメラの向こうのファンに向かって(彼の声は終始マイクで拾われていて、練習中ずっと自身の解説を加えていた)彼の理学療法士であるダニエル・トロックスラーにボールをぶつけると宣言した。そして、まあ驚くことでもないのだが、そう宣言してまもなくフェデラーの打ったボールはトロックスラーに当たった。

「ロジャーに関して言えば、彼には自分が考えたことを、即座に考えたままに実現できるって感じなんだ」とロディックは2015年にニューヨーク・タイムズ紙の取材に答えている。「本当に驚くべき能力だ。ラケットが脳と連携してると思えるほどだよ」。
Translation by Yu Sekine

RECOMMENDED

TREND