イギー・ポップがデンジャー・マウスと組んだ新曲『ゴールド』を聴く

金の発掘による一攫千金を狙う男性をマシュー・マコノヒーが演じる同作は、1月27日に全米公開される。物語の肝となるシーンで使用される同曲におけるポップのパフォーマンスに、ギャガンは感銘を受けていたという。「何かが悪い方向に進み始め、行き着く先がわからない時のあの感覚はまさに恐怖だ。唯一わかっているのは、それが悪くなる一方だということだ」

彼の個人的なお気に入りはコーラス部の「盗人たちに敬礼」というフレーズだという。「あんな大統領が選出された年にはおあつらえ向きだろ」彼は笑ってそう話す。

2人は2010年に発表されたスパークルホースの故マーク・リンカスのトリビュートアルバム『ダーク・ナイト・オブ・ザ・ソウル』でもタッグを組んでいるが、両者ともに今作『ゴールド』はより内容の濃いコラボレーションになったと感じているという。過去にも様々なプロデューサーやミュージシャンとの仕事を経験してきたイギーは、1970年代にはデヴィッド・ボウイと、そして昨年発表された『ポスト・ポップ・ディプレッション』ではジョシュ・オムと組んだ。

「他のミュージシャンと仕事をするたびに感心させられるんだ」イギーはそう話す。「俺自身がれっきとしたミュージシャンじゃないからさ。原始的なスキルしか持ち合わせてないから、思いつくアイディアもすごくラフなんだ。だからこそ、俺は自分の想像力を刺激してくれるミュージシャンをいつも探してる。ジョシュやアシュトン兄弟のような、自分にはない何かを持った人物をね。1人でやるよりも、誰かと一緒に作った作品のほうが俄然面白いんだ」

『ゴールド』のヴォーカルは、昨年惜しまれながらこの世を去ったレナード・コーエンを彷彿とさせる。イギーにとってコーエンは非常に大きな存在だったといいう。

「レナードとは友達だった」そう話す彼はコーエンとの思い出についてこう話す。「ある女性が投稿したこんな求人広告を彼が見つけたんだ。『レナード・コーエンの機智とイギー・ポップの野性味を兼ね備えた男性募集』彼は3人で会おうって提案してきてさ。俺は既婚者だから無理だって言ったら、彼は『固いこというなよ』なんて言ってた」


Translation by Masaaki Yoshida

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