フィン・ベイラー、負傷欠場から間もなくWWE復帰:復帰後の計画を読み解く

By Luis Paez-Pumar
WWE

サモア・ジョーがWWE本戦に大々的なデビューを飾るのではないかというウワサはずっと前からあった。最近の報道では、予想よりもうんと強烈なデビューになるかもしれないという。WWEが概してNXTとの継続性を念頭に置いていることを踏まえれば、ベイラーの再デビューとジョーの本戦デビューを同時に行うには、ジョーがベイラーに『ロイヤルランブル』もしくは『レッスルマニア』につながる試合で襲いかかるのが最もよいのはないかと思われる。両者はNXT時代にほぼ半年間にわたって抗争を繰り広げたにもかかわらず、これまでに本物の名勝負を演じたことはないのだが、その可能性は確かに感じさせている。加えて、サモア・ジョーはデーモン・キング・キャラのベイラーに完勝したことのあるただ1人の選手であることから、試合の結果にはあらゆる可能性が考えられる。他方で、ベイラーのライト層ファン人気を高めようというのであれば、ジ・アンダーテイカーと対戦するというのはどうだろう。"デッドマン"ことアンダーテイカーはすでに、『マニア』でジョン・シナと対戦することはないと明言している。そうなると、彼の残り少ないビッグマッチの1つとなるに違いないこの試合には、さまざまな選手が対戦相手候補として浮上してくる。その神秘性を、ベイラーにスターパワーを授けるため使い、勝とうが負けようが、『Raw』ブランドのトップとして、この夏のベイラーの復讐劇につなげていくというのはどうだろう。今『Raw』に足りないものを1つ挙げるとするなら、それは興奮と方向性なのだから。

率直に言おう。『Raw』の登場人物には総じて好感が持てるとは言い難い。サミ・ゼインを除けば(すみませんね)、『Raw』の主なベビーフェイス陣は嫌われているか(レインズ)、パートタイムであるか(ゴールドバーグ)、WWEの期待に背いているか(セス・ロリンズ)のいずれかでしかないのだ。トップに強力なヒールとフェイスがいる『SmackDown Live』とは違って、『Raw』で最も人気があるのはケビン・オーエンズであり、クリス・ジェリコであり、クリス・ジェリコのリストなのだ。だからこそのデーモン・キングなのである。ベイラーからはベビーフェイスの態度が染み出している。しゃべりが一番うまいとは言わないが、入場シーンとムーブセットだけで十分仕事ができる。それだけではなく、デーモン・キングのペルソナに変身することで、必要に応じてフェイスにもヒールにもなれるので、本当に相手を問わず戦うことができるのだ。

WWEはすでに負傷欠場前からベイラーを大々的にプッシュしていたわけだし、まして負傷は不慮の事故であって彼のせいではないのだから、ベイラーが復帰度直ちに、昨年8月に予定されていたメインイヴェント級にポジションに押し上げられないのだとしたら驚きだ。『Raw』のトップのフェイスにベイラーを配することは、WWEの売り上げアップにも資する。ベイラーのグッズ売り上げはこれから加速していくばかりだからだ。フェイスペイントやマスクは子どもに、ベイラークラブのTシャツは大人に大人気だ。まさにウィン・ウィンなのだ。これでベイラーが欠場中にマイクの技術を改善してくれていれば、まさに正しい場所、正しい時、正しい選手が完璧に1つに溶け合うこととなろう。『Raw』のデーモン・キング時代はすぐそこまで来ている。これがブランド分割以降、必要とされていた強壮剤になるかもしれない。



Translation by Tetsuya Takahashi

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