ジョン・メイヤー、新作4曲の起源と着想の背景を語る

『ラヴ・オン・ザ・ウィークエンド』

メイヤ―は、このアルバムの最初のシングル曲――ヒットチャートのトップを飾ったメイヤーの初期作品を思い出させる明るいポップロック――の歌詞は、ある日キャピトル・レコードに到着した時に浮かんだと語った。キャピトル・レコードは、ハリウッドサインが立つ丘のふもとのヴァイン通りにあるビルに入っている。「ただのくだらない丘だ」とその時思ったという。「でも、みんなこの丘の周りに決意して集まって来る。魔法が起きる場所だ。そこで考えさせられたのが、カリフォルニアではみんなが丘から丘(ハリウッドヒルズやビバリーヒルズ)へと行きたがるってことだ。僕がロサンゼルスが大好きな理由は、世界で一番愛が似合う街だからだ。恋人たちの逃避行という文化がここにはある。独り者の僕としては、ビッグ・サーのポスト・ランチ・インやサンタ・バーバラのサン・イシドロ・ランチに行けないのが一番悔しい」。



楽曲の鍵となる詞に添える曲が浮かぶまで、時間はもっとかかった。メイヤーは当初この曲に全く別のメロディーを書いていた。2016年9月、いつものバンドとエミー賞で演奏した翌日、メイヤーは別の曲のギターパートをレコーディングするために“少し二日酔いで”スタジオに到着した。「ギターから相当気の抜けた残響音が聞こえてきて、僕はある一節を弾き始めた。そしてそのまま弾き続け、“録音ボタンを押して”と言ったんだ」とメイヤー。そして長年のエンジニア、チャド・フランスコービアックとデモ作りに取りかかった。「このアルバムにまだなかった何かのはじまり、つまり誰かとの出会いや新たな関係を楽しみにするような曲ができるって確信した。他の曲は全て孤独の中に置いて行かれることを歌っているけど、そんなに長い間嘆いてはいられないからね」

「『ラヴ・オン・ザ・ウィークエインド』を作曲していた時の体験は、他の傑作を書いた時の体験と同じだった。家に帰っても何か特別なものが出来上がりそうで、一晩中曲のことが頭から離れない。次の日スタジオに戻って仕事に取りかかれば、必ずもっと良くなるって確信があるんだ」とメイヤーは付け加えた。

Translation by Yoko Nagasaka

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE