映画『グリーンルーム』―パンク・バンドとネオナチ集団の壮絶な死闘を描く

監督:ショーン・ベイカー | 出演:アントン・イェルチン、イモージェン・プーツ、パトリック・スチュワート、メイコン・ブレアほか / 配給:トランスフォーマー
By Yasuo Murao
(C) 2015 Green Room Productions, LLC. All Rights Reserved.

この闘いの特徴はどちらも素人集団だということ。主人公が突然ヒーローになって大活躍したりしないし、ネオナチ側は地元のチンピラの集まり。そんな手探りな状態のなかで、敵にも味方にも突然訪れる冷酷な死。ゲームのように人が死んでいくアクション映画が多いなか、ソルニエ監督は暴力をエモーショナルに、生々しくスクリーンに焼き付けていく。その一方で、オフビートなユーモアが漂っていて、スリリングだが息苦しさは感じさせない。そのさじ加減が絶妙だ。


(C) 2015 Green Room Productions, LLC. All Rights Reserved.

主人公のパットを演じるのは、昨年事故で亡くなったアントン・イェルチン。彼は実際にバンドをやっていたらしく、ベースを弾く姿はサマになっている。キャストで特筆すべきは、ナオナチ集団のボス、ダーシーを演じるパトリック・スチュワートだ。珍しく悪役に挑戦したスチュワートの重厚な演技が、権力を私物化する悪の存在を際立たせて物語を引き締めている。ソルニエはパンク好きらしいが(パットはマイナー・スレットのTシャツを着用)、本作は保守化が進み暴力が渦巻く世界に対する、パンクなアティテュードでもあるのかもしれない。



『グリーンルーム』
監督:ジェレミー・ソルニエ
出演:アントン・イェルチン、イモージェン・プーツ、パトリック・スチュワート、メイコン・ブレアほか
2月11日(土)より、新宿シネマカリテほかにて全国順次公開中
http://www.transformer.co.jp/m/greenroom/

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