THE BAWDIES新作アルバム『NEW』:オールド・ロックンロールを体現し続ける意味

By Joe Yokomizo
2月8日に新作『NEW』をリリースし、オリコンデイリーチャート5位を記録したTHE BAWDIES
2月8日にリリースされたTHE BAWDIESの新作アルバム『NEW』は"変わらない新しさ"というキャッチフレーズの通り、60〜70年代のロックンロールが現代の音で昇華された革新的な作品となっている。

しかし、ROY(Ba. & Vo.)の話によると、どうやらこれは単なる現代風アレンジというわけではないらしい。結成から10年、バンドを突き動かし続けたロックンロールへの深い愛情が、ここでひとつ形を成したようだ。


―THE BAWDIESといえば、若くして古典的なロックンロールを体現しているバンドというイメージだったんですけど、今回のアルバム『NEW』を聴くと、ラウドロックとかオルタナティヴな雰囲気も感じられて、"あれ? 変わったな"という印象でした。何か変化するきっかけというか、タイミングがあったんですか?

自分たちとしては"新しいものを作ろう"と意図的にやっている感覚はあまりなくて、もともと大好きな60年代のロックから受けた初期衝動のままなんですよね。そこを掘っていくといまだに毎日初めて出会う発見があって、それって多分一生かけても聴ききれないものだと思うし、そういうふうにファンであり続けられていることがバンドとして鮮度を失わず進める原動力にもなっていて。音の変化を感じるとしたら、結成から10年以上経って音の作り方が少しずつ変わってきたりということは当然あるので、そういったことだと思います。

―なるほど。バンドとしてロックンロールを追究していくことの意味って、どう考えています?

僕らの世代ではロックンロールって、若者に全然根付いていない、珍しい音楽だったんです。僕らはそこに新鮮さを感じて、その感覚を今のリスナーにも知ってもらいたくてバンドを始めたんですけど、日本の音楽シーンって移り変わりが激しくて、どんどん若いバンドが出てきてお客さんも入れ替わっていくじゃないですか。そうすると、当然ロックンロールを知らない新しい世代もどんどん増えていくわけで。そのたびに繰り返し伝えていくということがこのバンドをやる意味であり、古典を追究し続けることの意味だと思っています。ただ、デビューして8年なんですけど、だんだん中堅バンドになりつつあるのを日々感じていて(笑)。若手の頃は音楽シーンの波の中にいると感じていたのが最近はそういう位置ではなくなってきて、その波を切り裂いてその向こう側にいる人たちに伝えるには、今まで以上に洗練された、もっと力強くて切れ味が鋭いものにする必要があると思うんです。そのうえあの時代の音をそのまま伝えるのではなく、あの時代の熱量をしっかり持ったまま現代のバンドとして伝えなければ響かないので、最近は60年代の人たちに作れなかったものを作ろう、僕らにしか出せない音を出そうという意識でやっていますね。

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―"現代のバンドの音"というのはいろいろなやり方があると思うんですけど、今回のアルバムではどのようなアプローチで?

楽曲にもよるんですけど、今まで以上に鋭くしようと思って作ったのが冒頭の3曲(『THE EDGE』『HELLO』『45s』)で、このアルバムで伝えたいことは7割方そこに込められたので、その後はすごくリラックスした状態で作れたんです。だから、新しいものを取り入れたというよりは、自分たちがもともと持っていた引き出しの中で今までコントロールしきれなかったものが、力を抜いたことによって自由自在に作れるようになったというのが大きく表れている作品だと思います。あと、今回は制作期間が約2年間あって1曲1曲に使える時間が多かったので、全曲シングルを作るような気持ちで作れたというのも大きかったですね。特に意識的にいろいろ試したのは音作りで、ボトムの音を現代的なアレンジにすることによって、上に乗っかっているのが古典的なフレーズでも古く聴こえないようにしました。エイミー・ワインハウスとかアラバマ・シェイクスとかもそうだと思うんですけど、新しいことをやってるのかと思いきやそうでもなくて、実は新しく聴こえるような音作りをしているという。そうやって過去の音に寄り添うのではなく、自分たちのスタイルをしっかり表現しながら継承していくのも僕らが目指すところのひとつです。

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