ケン・ローチが描く社会システムの不条理『わたしは、ダニエル・ブレイク』

監督:ケン・ローチ | 出演:デイヴ・ジョーンズ、ヘイリー・スクワイアースほか / 配給:ロングライド
By Peter Travers
ケン・ローチが描く社会システムの不条理:映画『わたしは、ダニエル・ブレイク』。(C)Sixteen Tyne Limited, Why Not Produc@ons, Wild Bunch, Les Films du Fleuve,Bri@sh Broadcas@ng Corpora@on, France 2 Cinéma and The Bri@sh Film Ins@tute 2016

パソコンの知識が全くないダニエルは、煩雑なマニュアル通りのお役所仕事に四苦八苦している時(これが行政サービスのオンライン化計画「デジタル・バイ・デフォルト」、つまり電子政府政策の実態である)、自分と同じ境遇の女性にまるで家族のような連帯感を感じる。その女性とは、二人の子供を育てるシングルマザーのケイティ(ヘイリー・スクワイアース)。ロンドンのアパートを追い出されたケイティは、やがて生活のために身を売るようになる。

当然ながら、ローチは"負け犬"と呼ばれる人々を支持する。ジョーンズとスクワイアースも、シンプルながら記憶に残る名演で観客の心に訴えかける。ダニエルは、逮捕されるのを覚悟の上で自身の窮状を壁に殴り描きし、通行人を鼓舞させ、大きな声援を浴びる。そう、我々はダニエルに声援を送らずにはいられないのだ。


『わたしは、ダニエル・ブレイク』
監督:ケン・ローチ
脚本:ポール・ラヴァティ
出演:デイヴ・ジョーンズ、ヘイリー・スクワイアースほか
3月18日(土)、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開。
http://danielblake.jp/
Translation by Sahoko Yamazaki (RSJ)

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