ビートルズの名曲「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」知られざる10の真実

5. 曲中の有名な一節は、デイリー・メール紙とレノンの友人のおかげで出来上がった

この曲は、今見ると心地よく筋が通っているが、おそらく当時のビートルズは、日々の出来事を歌ったこの曲が、日刊紙の内容とよどみなくかみ合っていることに気付いていなかっただろう。1月7日、デイリー・メール紙は、ランカシャー州ブラックバーン市の道に空いている穴は埋められるべきだと報じた。「僕らは二人で新聞に目を通し、”ランカシャーのブラックバーンにはどれだけの穴が”のヴァースを書いた。(レノンの)”ラン、カ、シャー”の言い方が好きだったんだ。あれは北の方の発音だ」とマッカートニー。

レノンは次のように語っている。「レコーディングを始めても、一箇所言葉が浮かばないところがあった。予めわかっていたのは、”アルバート・ホールを―(何かする)―ために、どれだけの穴が必要か知っている”という一節になるということだった。全く意味不明のヴァースだけど、どういうわけか動詞が浮かばなかった。穴がアルバート・ホールに何をしたのか? そこでテリー(・ドーラン:レノンの友人で後にビートルズが設立した会社、アップルの代表を務めた)がアルバート・ホールを“埋める(fill’)”と言った。それで決まったんだ」。

6. ファーストテイクには、レノンの特徴的で風変わりなカウントインのひとつが収録されている

スタジオでジョン・レノンは、シュールな冗談を飛ばす機会を常にうかがっていた。1965年のシングルのB面曲「イエス・イット・イズ」で、レノンは「ワン・ツー・スリー・ブレッド!」とカウントインし、「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」ファーストテイクでは、『ザ・ビートルズ・アンソロジー2』に収録されているように、「シュガープラム・フェアリー、シュガープラム・フェアリー(金平糖の精)」と、チャイコフスキーのバレエ組曲「くるみ割り人形」の第三曲で合図を送った。この言葉はルイス・キャロルのように謎めいていて、レノンの狙い通りだった。曲のカウントインに砂糖菓子が使われ、さらにそれがバンドの気分を盛り上げたことがあったとしたら、それはこの時だろう。


Translated by Rolling Stone Japan

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