謎の男に扮して韓国を熱狂させた國村 隼が映画『哭声/コクソン』を語る

By Yasuo Murao 2017/03月号 P19〜19 |
(C)2016 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION
一度見たら忘れられない顔と存在感で、日本映画界になくてはならない名優、國村 隼。そんな彼が初めて韓国映画に出演したのが『哭声/コクソン』だ。その演技は高い評価受けて、韓国の映画賞、青龍映画賞で助演男優賞と人気スター賞の2部門を受賞するという快挙を成し遂げた。早速、映画について話を伺おうと思いきや、國村は本誌のザ・ローリング・ストーンの写真を楽しそうに眺めている。というわけで、まずはそのあたりの話から。

―ローリング・ストーンズ、お好きなんですか。

ええ、大好きですよ。3年くらい前かな、日本に来た時にも見に行ったんです。やっぱりストーンズはライヴだな! って思いましたね。

―10代の頃から聴かれてたんですか。

一応知ってました。当時はローリング・ストーンズを聴いている人は、音楽に詳しい上級者みたいなイメージを勝手に抱いてて(笑)。ビートルズと双璧をなしながらも、"ロックンロールといえばローリング・ストーンズ"って思ってましたね。


(C)2016 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION

―なるほど。その辺の音楽話はぜひ後ほど伺いしたいと思うのですが、まずは『哭声/コクソン』について。この映画のどんなところに惹かれて出演を決められたのですか。

世界観ですね。脚本を読んだ時、"これはすごい世界やな"って思ったんです。でも、"この映画はなにがテーマで、なにを伝えたいの?"って聞かれた時、なかなか言葉が見つからない。ある小さなコミュニティに異物がひとついることで、何かまずいことがそのコミュニティに起こったら、そいつのせいにされるっていう、人間社会のひとつの典型のような物語が始まるんですけど、そこからどんどん違う世界へ入っていくんです。

―國村さんが演じる"謎の男"がその異物なわけですが、この男も映画の中でどんどん描かれ方が変わっていきますね。

そうなんです。最初、"こいつが事件の原因に違いない"と思ってたお客さんは、ある時点で"あれ? こいつが原因じゃないかも"って思い始める。そんな風に何度も戸惑いながら物語に引き込まれていくのが、この映画のエンターテイメントなんです。映画のなかで、僕が演じた男が神父に向かって"お前はどう思う"って尋ねるシーンがありますが、あれは観客一人一人に向かって問いかけているようなものなんです。

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