ファレル、気候変動へ警鐘:100年後にリリースする新曲の全貌とは

レミーマルタン社CEOが語る、プロジェクトへの思い
「ファレルのイマジネーションに圧倒されました」


音楽はいろいろな要素の組み合わせですよね。楽器、プレイヤー、歌手など。ルイ13世も同じで、約1200種類のオー・ド・ヴィー(原酒)が魔法のようなハーモニーを奏でることで、美しいコニャックになるわけです。そう考えると音楽のシンフォニーとお酒の調合というのは、似た要素があるんじゃないでしょうか。もう一つ共通点があるとすれば、エモーショナルなこととリンクしているということ。音楽は感情を表現するものです。一方でコニャックも誕生日や記念日など、贈り物やグラスを交わして喜びを共有するときに選ばれることが多いですから、何か感情を喚起するところがあると思います。


レミーマルタン社CEO エリック・ヴァラ

私自身、サイモン&ガーファンクルの曲を聴くと、子どもの頃に両親が車の中でよくかけていたことを思い出します。今回、ファレル・ウィリアムスと仕事をさせてもらいましたが、彼の「Happy」という曲は私の娘がよく聴いていたので、今回のコラボレーションには大興奮でした(笑)。

私が知る限り、やっぱり彼は地球の一連の環境問題について敏感な人物だと思います。また心の底から問題を解決したいという気持ちを持っている。そんなアーティストのイマジネーションとルイ13世がコラボレーションをしたらどうなるか。いざ完成したものを聴いて、本当に驚きました。そしてファレルのマジネーションに圧倒されました。

「100 YEARS」のプロジェクトはジョン・マルコヴィッチからファレル・ウィリアムスに今回バトンタッチされたわけですが、次の展開がどうなるかはまだ何も言えません。ただ、もし次コラボレーションするとしたら、映画~音楽と続いたので、相手はまたアーティストになるのかなと思います。


仏Fichet-Bauche 社が設計した特別な金庫の中にレコードと一緒に保管される「ルイ13世」。


この金庫は、100年後まで決して解錠しない最高峰のセキュリティを備えている。


コニャック地方の石灰質の土を原料とする粘土で特別に製作したレコード。

ルイ13世にとって“継承”は大事なテーマです。我々も日常の中の仕事というよりは、ブランドの文化を継承するために仕事をしている感覚です。例えば、コニャックのブレンドを担当するセラーマスターもそうですね。4代目のセラーマスターは女性だったんですが、彼女から高度な専門知識を受け継いだ5代目のセラーマスターは、歴代のノウハウを継承しています。この美しいデキャンタもそうです。それぞれにシリアルナンバーが刻み込まれたデキャンタは、何代にもわたる高度な技術を持つ職人たちが、口吹きで作り上げるクリスタル製で、誕生当時から変わらないデザインです。1本のデキャンタの中に、さまざまな“継承”が込められている。

それが、ルイ13世なのです。


エリック・ヴァラ
レミーマルタン社CEO。昨年10月、中国の最高級ショッピングモール「北京SKP」に世界初の「ルイ13世」のブティックをオープンさせるなど、酒類業界の既成概念を変え、歴史の新たなステージを支える土台を築こうとしている。中国、アジア各国のマーケットにも精通。

ルイ13世 オフィシャルサイト
www.louisxiii-cognac.com

RECOMMENDEDおすすめの記事


Current ISSUE