ニール・ヤング等のパブリッシャー、Spotifyに約1800億円の賠償請求

Spotifyは2017年5月、同様の訴訟に対し4300万ドルで和解に応じている。ソングライターのデヴィッド・ロウリーとメリッサ・フェリックを代表とする集団訴訟で、現在和解案は裁判所による承認待ちである。しかし、この和解に不満を持つ者もいる。2017年7月に別の訴訟を起こした、フランキー・ヴァリ&ザ・フォーシーズンズの結成メンバーのひとりボブ・ゴーディオ。そしてもちろんWixenも。

訴訟の中でWixenは、Spotifyが使用する楽曲の直接的および強制的ライセンスのいずれも取得していないと訴えている。さらに、Spotifyはライセンス関連の業務を、ライセンシングやロイヤルティ・サービスを提供するハリー・フォックス・エージェンシーに外部委託しているが、同社は作詞・作曲に関する必要なライセンスを取得する能力に欠けていた、と指摘している。

Wixenが管理するアーティストには、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのザック・デ・ラ・ロッチャとトム・モレロ、ザ・ブラック・キーズのダン・オーバック、スティーリー・ダンのドナルド・フェイゲン、デヴィッド・キャシディ、スティーヴィー・ニックス、ケニー・ロジャース、キム・ゴードンらも含まれる。2017年9月、これらアーティストの多くが、前出のロウリー/フェリックによる訴訟の和解に対し、抗議の声を上げた。アーティストたちの抗議は、Wixenの起こした裁判の陳述書にも記載されている。Spotifyは、Wixenがこのような方法でアーティストたちの声を代弁する権限を得ているかどうか、異議を唱えている。標準的な管理委託契約では、パブリッシャーに対し、ライセンスの詳細を交渉する権限を与えるものの、訴訟に関しては触れないのが典型的なパターンだからだ。

前出のThe Hollywood Reporterによると、Spotifyの弁護団は2017年12月29日、裁判所に対し以下の内容の書面を提出した。「Wixenがクライアントに対し書面を送ったが、その内容は、Wixen Musicに対してクライアントから明確な拒否の意思表示がない限り(しかも短期間内で)、クライアント名義による(訴訟からの)除外請求を委任するものだった。しかしその書面は、Wixen Musicに必要な権限を与えるものではない。Wixen Musicは、書面の受取人が何もしないことで、実質的に集団訴訟から脱退させる権限を得られるものと考えている。しかしそのようなやり方は法律に反する:集団訴訟からの離脱は個人の権利であり、明示的な許諾なくその権利を行使することは無効である」

Translation by Smokva Tokyo

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE