37年前に水死したナタリー・ウッド、当時の夫が重要参考人に浮上

「彼女がどこに行ったのか、私たちは特に探しもしませんでした」と、2011年にデヴァーンはNBCニュースのデヴィッド・グレゴリーに告白している。「思い起こすと、あの時は『一生懸命探すつもりはない、サーチライトを照らすつもりはない、今すぐ誰かに連絡するつもりはない』という雰囲気でした」。これに続いて、ワグナーがウッドの死に関わっているかとグレゴリーに尋ねられたデヴァーンは「はい、そう思います」と答えている。


1957年の最初の結婚式でのウッドとワグナー(Photo by Hulton Archive/Getty Images)

2012年には検死報告書が訂正され、ウッドの死因から「事故」の文字が消えた。それを受けて、これまで明るみに出なかった事柄が表に出始めたのである。ある捜査官は「ウッドの身体には出来たばかりの青あざがあり、暴行の被害者のようだ」と言っている。最初の検死報告書では、ウッドの血中アルコール濃度の高さが死ぬ直前まで長時間飲酒していたことを裏付け、薬物テストでは鎮痛剤と乗り物酔いの薬が検出されていた。それを踏まえて、検死報告書には「ウッドが足を滑らせてヨットから転落したと推測される」と記載されていた。しかし、2012年に公表された10ページに及ぶ訂正書類には「ウッドが海に落ちた方法は解明されておらず、彼女の遺体の青あざが失踪前につけられた可能性も捨てきれない」と書かれている。

「この一件は殺人と断定できるところまでは行っていません」とラルフ・ヘルナンデス刑事が『48 Hours』に語った。「しかし、これが事故だという証明もできていません。一番の問題は、彼女がどうやって海に落ちたかをまだ解明できていないことです」

ウッドの死に一切関係していないと、ワグナーは自身の関与を公式に否定してきた。2009年の自身の回想録でもそう述べている。しかし、頑なに捜査協力を拒否している事実は彼の関与を疑う十分な根拠となってしまう。一方、ウォーケンはウッドの事故死の再調査が始まってすぐに弁護士を立てて、警察の事情聴取に応え、嫌疑を晴らしている。しかし、生きているウッドを最後に見た人物と思しきワグナーの事情聴取は実現していない。この6年間、捜査官たちは彼に任意の事情聴取を繰り返し求めてきた。このことから、彼が何かを隠しているのではないかと警察は疑うようになったわけだ。

コリナ副保安官は『48 Hours』に次のように語った。「他の証言者の証言とマッチする詳細をワグナーは一度も語っていません。それに彼の話は少しずつ変わっていて一貫性もなく、彼が証言で語った状況は辻褄が合わないものばかりです」

Translated by Miki Nakayama

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