クインシー・ジョーンズの赤裸々な回想「ビートルズは最悪だった」

・オプラがアメリカ合衆国大統領になるといい。

「オプラ・ウィンフリーは大統領選には出馬すべきじゃないと思う。その能力はないからね。州知事や企業のCEO、軍の司令官などを経験しないと、人を率いる術は身に付かないから」と、メディア女王のオプラと仲の良いジョーンズが語る。そうはいっても、トランプ大統領も褒められたものじゃないと彼は思っている。「彼は無知すぎるんだよ。本物のリーダーシップの何たるかを知っていたら、あんなに敵を作ることは絶対にしない。あっぱれなバカだ」

・アメリカの異人種間関係のゴタゴタは今後もずっと続く。

「この問題は昔から注目している。30代から現在までずっと」とジョーンズ。「確かに大きな進展は遂げているけど、この道は未来に向かってまだまだ長く続いている。アメリカ南部はいつだって最悪の状態だったけど、みんな自分の立場をよく理解しているんだ。一方、アメリカ北部の人種偏見は上手に隠されているから、みんな自分の立場がわからない」。音楽王ジョーンズいわく、世界の現状は「これまでで最悪」だが、人々が大きな問題を解決しようと奮闘している姿は心強い、と。「フェミニズムでは女性たちがもう我慢しないと言っているし、人種偏見では人々が克服しようと戦っている。神はわざと悪いことを与えて、人間に克服させようとしている」

・今日の音楽ビジネスは怠け者だ。

ジョーンズは、現在の音楽には異なるジャンルをまたぐ新しい考えや工夫が欠如していると、あからさまに非難した。「ラップがそのいい例で、同じことを何度も飽きもせず繰り返しているだけ」と辛辣だ。また、今日の音楽にはオリジナリティがないとも言う。「ループ、ビート、ライム、フックだけ。世界で一番うまい歌手が歌ってもひどい歌は良くならない。これは私が50年前に学んだことで、プロデューサーとして片時も忘れない最高の教訓だよ」。そうは言いながらも、期待しているアーティストとして、ブルーノ・マーズ、チャンス・ザ・ラッパー、ケンドリック・ラマー、サム・スミス、マーク・ロンソンの名前を挙げた。


Translated by Miki Nakayama

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