米研究レポート『ポケモンGOによる死』の気になる中身

運転中のポケモンGOの影響について調査したのは、ファッチオ教授とマコーネル教授が初めてではない。2016年、米高速道路交通安全局(NHTSA)は独自調査を委託し、米国医師会ジャーナルに発表した。調査員たちは、2016年7月10日〜19日にかけて、GoogleニュースやTwitterから「ポケモン」や「運転」といったキーワードによる検索結果を基に、データマイニングを実施した。約35万件のツイートからランダムに4000件を抽出して調査員たちへ割り当て、運転者、同乗者、歩行者がポケモンGOをプレイしていたかどうかを判定させた。結果、33%のツイートで、事故に関わった誰かしらがポケモンGOによって注意散漫になっていたことが判明した。わずか10日間で11万3000件以上のポケモンGOに関わる事故が抽出されたことになる。

現時点でモバイルビデオゲームは、ある意味で法的なグレイゾーンにある。(米国では)運転中のメール送信や通話は合法であるが、多くの州法ではポケモンGOのようなゲームアプリについて明示していない。この状況は徐々に変わりつつある。2016年、カリフォルニア州知事のジェリー・ブラウンは、運転中のゲームを含むスマホや携帯電話のほとんどの操作を禁止する新たな法律に署名した。運転中はスマホや携帯電話を固定している場合に限り、タップするだけのシンプルな操作は許される。ウーバー(Uber)やリフト(Lyft)など配車サービスのドライバーは、運転中にスマホや携帯電話を操作することを許されているが、リザードンを捕獲する行為は禁止されている。

ポケモンGOの開発元であるナイアンティックもまた、自主規制に取り組んでいる。2016年、プレイヤーが乗り物で移動中であることをアプリが検知し、プレイヤーに運転者か同乗者かを確認表示する機能を追加した。時速30マイル(約時速48km)以上で走る車に乗っている場合、ポケモンが出現しないようになっている(2017年12月時点での米国内の仕様)。もちろんこれが確実な対策という訳ではない。制限時速以下で運転しながらポケモンGOをプレイすることはできてしまうが、絶対にお勧めしない。

Translation by Smokva Tokyo

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE