愛憎渦巻くスマッシング・パンプキンズの20年

2016年8月16日
ビリー・コーガンはあるインタビュアーに、ダーシー・レッキーと再び連絡を取り始めたが、音楽的な部分での再会は約束できないと述べた。「今の状況と全く関係のない憶測を生みたくない。まず、俺たちは再び連絡を取るようになった。バント全員がね。ダーシーとは16〜17年ぶりに交流していて、昔の友だちを取り戻せて嬉しい。とにかく、俺たち全員が連絡を取り合うようになっているけど、それはつい最近のことだし、俺の一番の興味は、昔と同じような良い関係をもう一度築くことなんだ」と。

2017年9月22日
ビリー・コーガンが2017年10月にリリースされる自身のソロ・アルバム『OGIALALA』収録の「The Processional」で、イハがオルガンを弾くことになった経緯を説明。「俺が彼に何曲か送って『これってお前の得意な方面だと思う』とイハに言った。彼が好きなタイプの音楽だから。送った曲の中から彼は2曲選んだ。片方がB面の曲になるタイプのやつだったけど」とコーガン。また、彼はレッキーと交流を再開したことも述べた。「ダーシーとはいつも喋っている。俺たちが交流を再開したのは確か1年半くらい前だと思う。今では定期的に話しているし、彼女とまた友だちに戻れて嬉しいよ」と。

2018年1月16日
ビリー・コーガンがバンド再結成をInstagramで匂わせる。コーガンと一緒に画像に写っていたのはイハ、チェンバレン、シュローダー。レッキー不在。

2018年1月21日
自分抜きでバンドが再結成されるとダーシー・レッキーが暴露。「これには私もかなり落胆しているけど、私はそこ(再結成のステージ)にはいないようだわ」と、Blast Echoのインタビューで語った。

2018年1月27日
コーガンがInstagramでバンドがリック・ルービンとスタジオにいることを匂わせる。

2018年2月6日
コーガンがInstagramにスタジオからポスト。自分がベースを弾いていると書いてダーシー・レックにジャブを食らわせる。アルバム『マシーナ』では、コーガン曰く「あの亜麻色の髪のサクソン女が弾いたと言われているが」、実はイハがかなりの割合でベースを弾いていたことを暴露する。

2018年2月11日
ダーシー・レッキーはBlast Echoに、契約書を渡されたが取り消したことを明かす。

2018年2月12日
再結成を公表する前に、スマッシング・パンプキンズはダーシー・レッキーが参加しない理由を説明。彼らが出した声明は次の通りだ。「スマッシング・パンプキンズの再結成において、バンドはファンと音楽にその身を捧げることに変わりない。ジェイムス・イハ、ジミー・チェンバレン、ウィリアム・コーガンはダーシー・レッキーと18年以上も一緒に演奏を行っていない。しかし、それは努力が足りないわけではない。報道とは異なり、レッキーさんは何度もバンドとの演奏やデモ・セッションへ誘われているし、僕たちは顔を合わせて話そうと提案したこともある。しかし、彼女はどの誘いも即座に断った。僕たちは彼女の幸せを願っている。それに、近いうちに君と再び連絡を取り合いたいと思っている」

2018年2月13日
ダーシー・レッキーが、ビリー・コーガンが彼女に再結成の件で嘘をついていたことを証明するコーガンのテキスト・メッセージをネット上にアップする。その後すぐに自分のFacebookページをプライベートに設定。スピン誌によると、彼女は「あれを注意深く読むと、私に提案されていた役割が、会話が進むにつれて小さくなっていくことに気付くはず。最後にビリーは、私に合うのは私の顔がプリントされたTシャツだと言っている。彼に直接電話して、ツアーでベースを弾く術はないかと尋ねたら、彼は『ない』と応えた」と書いていたらしい。

2018年2月14日
バンドがダーシー・レッキーに連絡していたとする主張に、レッキーが異議を唱える。「彼はジャック・ベイツをベーシストに決めていた。信じられないし、ひどすぎる」 レッキーが続ける。「本当に図々しいにも程がある。そのくせ『しばらく君と会っていないし、君は一度も再結成に参加していないし、今回も参加しないんだよね。他のメンバーは来てくれたのに、君は来なかっただろう?』って言ったのよ。彼らが集まっているなんて知らなかったんだから、行けるわけないでしょ!」

2018年2月15日
スマッシング・パンプキンズは再結成ツアーを「Shiny and Oh So Bright」ツアーと命名すると発表。ラインナップはビリー・コーガン、ジェイムス・イハ、ジミー・チェンバレン。そこにベイツとシュローダーが加わる。セットリストはバンドの初期アルバム5枚から選曲されることになる。「今回のツアーのライブもステージングも、これまで俺たちがやったどれとも似ていないし、選曲もこれまで演奏したことのないものばかりになるだろう」とコーガンが語った。「今回のツアーが俺たちの新たな始まりになるというのなら、本物の興奮と歓喜を呼ぶものにしたくて計画を練っている」と。

Translated by Miki Nakayama

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