米セクハラ問題、ワインスタインの集団訴訟取り下げの動きにメリル・ストリープが反撃

ワインスタインが集団訴訟の取り下げ申請でストリープの名前を出した後、メリル・ストリープは反撃に出た(Photo by Samir Hussein/Samir Hussein/WireImage)

今週、ハリウッドのセクハラ問題で告発されたハーヴェイ・ワインスタインは、集団訴訟の取り下げ申請でメリル・ストリープの名前を出すと、ストリープはワインスタインに対し「哀れで、人の良心を食いものにする」と反撃した。

ハーヴェイ・ワインスタインの弁護団は訴訟取り下げ申請の証言として、メリル・ストリープが出した声明文を利用した。これを受けてストリープは21日に新たな声明を発表して映画界の権力者を非難した。

2017年、ストリープは「ワインスタインが犯した罪は腹立たしいが、私との仕事関係においては敬意を持ってくれた。また、私以外でも、彼がプロとして仕事をした多くの人たちに対しても敬意を払っていた」と公式に述べた。さらに12月には「ワインスタインが配給していた映画に関わっていた俳優、女優、監督の全員が、彼が女性を虐待していたこと、90年代にローズ(・マッゴーワン)をレイプしたこと、彼女の前にも後にも他の女性たちを虐待していたことを、彼女たちが告白するまで、知っていたわけではなかった」と発言した。ワインスタインの弁護団はストリープが声明文で述べた「敬意を持って」というフレーズを、今週ニューヨーク連邦裁判所に提出した法的文書に利用したのである。

21日に事実を明らかにするためにハリウッド・リポーター誌に掲載された声明文で、ストリープは自身の言葉がワインスタインの性格を肯定するものではないと明言した。「ハーヴェイ・ワインスタインの弁護士が私の真実の声明、つまり私たちのビジネス関係において彼が性的に優位に立ったり、肉体を虐待するようなことはなかったという私の発言を、他の多くの女性に対しては虐待をしなかったとする証拠として利用したことは、哀れで、人の良心を食いものにしている」と、ストリープは断言した。

「ワインスタインが女性たちを肉体的に搾取したとして告発された複数の刑事裁判の責任は彼にある」とストリープは続けた。「そして、現在の法制度に正義があるのならば、彼は自分の犯した罪の代償を払うことになる。多くの善人の手によって作られた素晴らしい映画を数多く手がけてきたとしても、ハーヴェイは業績と資産を得られただけで十分にラッキーだったはずだ」と。

Translated by Miki Nakayama

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