エミネム、コーチェラ・フェスティバルの舞台でドクター・ドレーと競演

STEVE APPLEFORD | 2018/04/17 14:40

| コーチェラ・フェスティバルのステージに立つエミネム(Photo by Kevin Mazur/Getty Images for Coachella) |

米国現地時間4月15日、コーチェラ・フェスティバル3日目のトリを務めたのはエミネム。反逆のヒップホップを叩きつけた彼をアシストしたのは、ドクター・ドレー、50セント、スカイラー・グレイといういつもの仲間たちだった。

「コーチェラ、俺がヤク中だった頃にタイムスリップしてもいいか?」

エミネムは自虐的な笑いのツボを心得ている。これに続いて(ジミー・キンメルが事前に録音していた)数分間の“悪意のあるツイート”が読み上げられた。ヒップホップのアイコンになったエミネムにかつて向けられたものだ。これに対するエミネムの答えとして、「マイ・ネーム・イズ」を披露。ブレイクするきっかけとなった1999年のシングルで、エミネムの力強いラップが広く認知された曲でもある。

ベテランの域に達していても、エミネムは相変わらず聴く者の痛みを刺激する。彼のライブのオープニングは巨大スクリーンに映ったキングコング大のスリム・シェイディで、ストリートを徘徊しながら、車を叩き潰し、人々に中指を立てて破壊行為を繰り返す。しかし、彼が作る反逆と疑いの歌はフーリガン行為を称賛したことなど一度もない。それどころか、人間の奥底に響く深い意味を含んでいた。

ステージに登場したエミネムは、衰退するデトロイトの工場を感じさせる衣装を着ていた(セットの給水塔には市外局番313が目立つようにペイントされていた)。のちにこのデトロイトの工場は燃え上がり、活気が消えたアメリカ中部の地方都市の再開発予想図のような風景が登場する。ステージを歩きまわりながら、軽快さが逆に恐怖を感じさせる「キル・ユー」のリリックを怒鳴るように放ち、白のトレーニングウェア姿でビートに合わせて飛び跳ねた後、観客を脅迫するような「ザ・ウェイ・アイ・アム」へと突入した。

エミネムの背後には常にフルバンドとストリングスがいる。つまり、サンプルは一切使わず、彼らがエミネムのラップを支えるビートとメロディを生演奏していのだ(「シング・フォー・ザ・モーメント」の中のエアロスミスのヒット曲「ドリーム・オン」ももちろん生演奏だ)。

近年のエミネムは長期のツアーから遠ざかっているため、コーチェラのステージを特別なものにしようと準備を整えてきたようだ。ビヨンセとのデュエット曲「ウォーク・オン・ウォーター」にビヨンセ本人が登場することはなかったが、前夜のビヨンセの劇的なステージを見た後では、たとえ彼女が登場したとしても盛り上がりに欠けた可能性は否めないだろう。代わりに登場したのが、シンガー・プロデューサーのスカイラー・グレイ。彼女は「スタン」ではダイドの代役として、「ラヴ・ザ・ウェイ・ユー・ライ」ではリアーナの代役として、ヒリヒリと焼け付くようなヴォーカルで巧みな歌を披露した。
Translated by Miki Nakayama

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