浅井健一インタビュー「右や左ではなく、俺は真ん中を目指している」

5月12日(土)にTHE INTERCHANGE KILLSを率いてツアー・ファイナルを開催する浅井健一(Photo by Kana Tarumi)

浅井健一& THE INTERCHANGE KILLSの全国ツアー「Sugar Days Tour 2018」が、5月12日(土)に新木場STUDIO COASTで開催される東京公演で最終日を迎える。そこで今回、RSJでは浅井にインタビューを実施。新たな詩集を発表したばかりの彼に、強烈なインパクトを放ち続ける「歌詞とことば」について語ってもらった。

中尾憲太郎(Ba)、小林瞳(Dr)と新たに組んだ浅井健一& THE INTERCHANGE KILLSで、現在、精力的に活動している孤高のロック・ミュージシャン、浅井健一(Vo, Gt)が4月27日、『宇宙の匂い』と題した詩集・ダイアリー&ストーリーズを上梓した。

同書はロック・シーンに衝撃を与えたBLAKNEY JET CITYから現在まで、浅井が27年間の音楽活動の中で発表した楽曲の中から厳選した151編の詩に加え、新たに書き下ろしたショート・ストーリー、日々の想いを綴った日記を収録。BLANKEY JET CITY時代から唯一無二のセンスを閃かせる歌詞が高く評価されてきた浅井は今回、ショート・ストーリーと日記において、ロック・ミュージシャン、詩人としての彼とはまた違う才能と魅力を印象づけている。その意味で、非常に興味深い1冊が完成した。

今回のインタビューでは、文筆家としての浅井健一に迫ってみたいと思うが、その前にまずは現在、THE INTERCHANGE KILLSを従え、行っている全国ツアーの話から。彼らが今年2月にリリースした最新アルバム『Sugar』は、激しいロックンロールに頭をぶっ飛ばされる一方で、SHERBETSにも通じる美しい世界観に胸をぎゅうっと締めつけられる一枚。アルバムをリリースするたび、曲が研ぎ澄まされていく、ここ数年の感覚をさらに更新する傑作だ。

なぜか今年に入ってから、バンドの状態が凄くいい

―現在、2月にリリースした『Sugar』をひっさげ、全国を回る「Sugar Days Tour 2018」の真っ最中ですが、どんな手応えがありますか?

浅井:各地すべて盛り上がっとって、最高に楽しいツアーになっているかな。THE INTERCHANGE KILLSの演奏が今、凄いことになっとって、最高にいい気分でツアーを回っているよ。演奏が凄くいいんだよね。

―それはやはりTHE INTERCHANGE KILLSでアルバムを2枚作って、ツアーを重ねてきた結果だとは思うんですけど。

浅井:そうだね。時間も関係あるけど、なぜか今年に入ってから、いいんだ。変わった感じがしてる。

―なるほど。その変わった感じを、多くの人にぜひ見てもらいたいのですが、『Sugar』からもけっこう、今回のツアーでは演奏しているんですか?

浅井:もちろん。全曲やっとるよ。レコーディングしている時よりも今、ライヴでやっているほうがいいと思う。レコーディングしていた時よりもバンドが成長しているというか、さっきも言ったように変化しているからね。もちろん、『Sugar』も凄く最高だと思って、リリースしたんだけどね。



―ツアー中、肉体面、精神面で何かケアってされるんですか?

浅井:肉体面は鍛えるよ。日頃から鍛えとる。

―ああ、ツアー中だから特にってことではなく。

浅井:そうだね。人前に出ない時期はちょっとサボったりもするけどね。大体、人前に出ることがずっと続くから、いっつも鍛えてる……鍛えてるって言うか、あまりサボれない。

―『宇宙の匂い』に収められている日記の中に、49歳から人生史上最も激しい運動を始めたというくだりがありましたが、なぜ鍛えようと思ったんですか?

浅井:やらんかったら、衰えていくのがすげえ早いと思うんだ。どっちみち衰えていくんだけど、何とかキープしたいじゃん。昔は何もやっとらんでも、体、締まってたけど、40代後半ぐらいから、いろいろなところが緩んできて、それで始めたんだよね。

―体をキープしたいっていうのは、生きる上で? それともステージに立つ上でですか?

浅井:おんなじだよね。でも、人前に出なかったら、そこでまでがんばってやっていないと思う。だから、仕事柄?(笑)

―精神的な面では?

浅井:何もしてないよ。

―ツアー中に精神的にきついってことはない?

浅井:うん。楽しいと言うか、うれしいと言うか、そんな感じでやっとるよ。

―5月12日(土)の新木場STUDIO COASTでツアー・ファイナルを迎えるわけですが、ファイナルはどんなライヴにしたいと考えていますか?

浅井:ツアーの集大成として盛り上がりたいね。

―『Sugar』から全曲やっているとおっしゃっていましたが、ということは「水滴」も?

浅井:やってるよ。「水滴」はキーボードが、CDには入ってるじゃん。3人なんで、それは再現できないからさ、ちょっと心配してたんだけど、ライヴ・ヴァージョンはライヴ・ヴァージョンで凄くいい。見せどころになっているかな。

―「水滴」、ライブで聴きたいですよね。

浅井:(ライブの)真ん中へんで、「水滴」含め、静かなのが3つ続くんだわ。そこがけっこう俺、好きなんだよね。

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