ジョージ・ハリスン・エステート、インド古典音楽専門のレーベルを立ち上げ

1975年頃、ジョージ・ハリスン(左)とラヴィ・シャンカル(右) (Photo by Michael Ochs Archives/Getty Images)

ジョージ・ハリスンの遺産管理団体が、インドの古典音楽とワールド・ミュージックに特化した新たなレコード・レーベル「ハリソングス(HariSongs)」を立ち上げた。新レーベルは、ラヴィ・シャンカル、アリ・アクバル・カーンのリイシューからスタートする。

ジョージ・ハリスンの遺産管理団体は、インドの古典音楽とワールド・ミュージックを専門にする新たなレコード・レーベル「ハリソングス(HariSongs)」を立ち上げた。クラフト・レコーディングスとのパートナーシップの下で始まった同レーベルでは、ザ・ビートルズとインドの有名ミュージシャンたちとのコラボレーションを含む、ハリスン・ファミリーのアーカイヴから選りすぐった作品をリリースしていくという。

同レーベルは手始めに、現在は廃盤となっている2枚のアルバムをリイシューした。1枚目はラヴィ・シャンカルとアリ・アクバル・カーンによる『イン・コンサート・1972』で、もう1枚はハリスンとシャンカルとのコラボレーションによる『チャント・オブ・インディア』だ。どちらの作品も、2018年4月27日よりストリーミングとダウンロードで提供開始されている。

『チャント・オブ・インディア』のオリジナル版は、1997年にエンジェル・レコーズよりリリースされた。ハリスンのプロデュースによる同アルバムは、シャンカルが、インドのマドラス(現チェンナイ)とイギリスのヘンリー・オン・テムズでレコーディングした作品だ。シャンカルは、ベーダやウパニシャッド等のサンスクリット語で書かれたヒンズー教の聖典にインスピレーションを受けていたことが明らかになった。同リイシューの音源は、オリジナルのデジタル・マスター・テープをリマスターしたものだ。

ハリソングスはまた、同アルバムの制作過程を収めたショート・ドキュメンタリーもリリースした。ドキュメンタリーにはシャンカルとハリスンのインタヴューも含まれる。インタヴューでシャンカルは、アルバムを構成するマントラの深い個人性や精神性と、それらを一般に聴かせる楽曲として仕上げるにあたり必要なことなどについて語っている。「自分が正しいことをしているかどうかわからず、ひどいジレンマに陥っていた」とシャンカルは語る。「これらのマントラを不特定多数の人間のために口から発することは禁じられている。個人的なものなのだ。私はとても慎重に作業したため、このアルバム製作にはこれまでで最も時間がかかった。その過程では多くの自己評価が必要だった」

Translated by Smokva Tokyo

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