夫婦ジョイントコンサートに学ぶ、ビヨンセ流・ダンナを尻に敷く方法 

グッズからメッセージに至るまで、夫ジェイ・Zとの2度目ジョイントツアーで自分のほうがズバ抜けていることをアピールしたビヨンセ(Robin Harper/Parkwood)

先日、ビヨンセとジェイ・Zによる2度目のジョイントコンサート「On the Run II」ツアーが英ウェールズでスタートした。ツアーグッズからライブ中のメッセージまで、夫ジェイ・Zとのジョイントコンサートでビヨンセは、いかに自らの優位性を示したのか?

今週金曜日、ビヨンセとジェイ・Zによる2度目のジョイントコンサート「On the Run II」ツアーがイギリス・ウェールズからスタートした。前回のツアーにつづき、今回もまた、夫婦仲にまつわる真実やまことしやかに囁かれる噂をうまく織り交ぜていた。だがツアーの様々な局面で、今回2人の立場は決して対等ではなかったことが伺える。『レモネード』やコーチェラ・フェスティバルでの成功の後、この日の主役がビヨンセなのは疑いの余地もなかった。

この数年でビヨンセの人気は最高潮に達した。キャリア面ではビジネス重視の夫をはるかにしのぎ、音楽業界を独占。夫婦仲に関しても、ビヨンセは『レモネード』で、ジェイ・Zは『4:44』でそれぞれ自分の言い分をぶつけ合ってきたが、先に非を認めたのは夫のほうだった。今回再びステージを共にするにあたり、伝説的なコーチェラ・フェスティバルのパフォーマンスの勢いも手伝って、女帝Bはあの手この手で自分の優位性をアピールしていた。以下、ビヨンセ流「旦那を尻に敷く方法」5つのポイントを紹介する。

1.ツアーグッズには皮肉を織り交ぜる

「On the Run II」のツアーTシャツやパーカー、帽子と並んで販売されていたのが『レモネード』やコーチェラ・フェスティバル関連のグッズ。特に目立っていたのは、ヘルベチカ字体で上下逆さまに書かれた“fuckery"という文字をプリントしたTシャツだった。背中には、「ナンセンス」「不公平、あるいは道徳的によろしくない行為」など、この言葉の定義や用例がつらつら書き連ねてある。これまで公には仲睦まじい姿を見せてきた夫婦らしくない、大胆かつバカげたメッセージだ。ビヨンセが経験した苦々しい経験、『レモネード』でも赤裸々に語られた痛みを、ちょっとトゲの効いたユーモアで表現している。









2. ステージにはエレベーターで登場する

公の夫婦の姿といえば、2014年、スタンダードホテルで行われたメット・ガラのアフターパーティから流出した画像に世間は驚愕した。セキュリティカメラに捕らえられた無音声のモノクロ画像には、ビヨンセの妹ソランジュ・ノウルズが義理の兄に殴る蹴るの暴行を加え、傍らでビヨンセが静かに見守るようすが激写されていた。明らかに夫婦最大の汚点であるにも関わらず、2人はこの件を曲の中で時には遠慮がちに、時にはあからさまに触れ、各々の音楽性をアピールしてきた。そして再びあの事件――ジェイ・Zの不貞(本人も最近のインタビューや「キル・ジェイ・Z」の歌詞の中で認めている)に対し、ソランジュが妹の弁護を買って出たあの一件が、今度はステージ上で仄めかされた。エレベーターを思わせる舞台装置に乗って、スタジアムのステージに降り立つ2人。しかも仲良く、手を取り合って。


手を繋いでステージに登場した二人(Raven Varona/Parkwood/PictureGroup)

Translated by Akiko Kato

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