セリーヌ・ディオン、10年ぶりの来日となった東京ドーム公演のレポートが到着

アジア・ツアーの一環として、10年ぶりの来日公演を東京ドームで行ったセリーヌ・ディオン(Photo by Masanori Naruse)

6月26日、セリーヌ・ディオンの来日公演が東京ドームにて開催された。2014年のジャパン・ツアーを夫の看病と自身の体調不良によりキャンセルしていたため、今回の来日公演は実に10年ぶり。それも、東京1夜限りのプレミアムなショーだったこともあり会場は超満員。当日のライブ・レポートをお届けする。

■ 時代を超えて愛される名曲と、歌と生きてきたセリーヌの足跡

満員の観客で埋め尽くされた東京ドーム。オープニング・アクト(VÉRONIC DICAIRE)の後、19時前にセリーヌ・ディオンが登場した。10年ぶりの来日公演だからか、少し硬い表情で、全米NO.1ヒット曲『パワー・オブ・ラヴ』を歌い始める。感動の再会に、客席のあちこちで小さな歓声が上がり、それが万雷の拍手になった時、セリーヌは、ホッとした笑顔を浮かべて、「ちょっと緊張しているの」と語った。

10年前と異なり、正面に設置されたステージ。デザインはシンプルで、ダンサーもいない。でも、よく見るとバンド以外に3名のホーン奏者と弦楽四重奏までいる。なんて贅沢な編成なのか。最高の演奏で、歌を届けることが今回のテーマなのだろう。実際に低音から高音までよく声が響いている。2曲目以降も大ヒット曲が続く。そのなかで、『ビコーズ・ユー・ラヴド・ミー』では終盤に歌を止めて、観客に「一緒に歌おう」と促す。そのやりとりが上手。笑いを誘うMCもそうだし、ラスヴェガスでロングラン公演を続けてきた片鱗が見てとれる。

衣装チェンジが5回あったが、早いし、その時間を使って次のセクションに転換するのが巧み。特に良かったのが、ステージ中央に移動した弦楽四重奏がオケピの音出し風効果音から優美な演奏に転じるなか、セリーヌが登場して、『17歳の頃』、『ア・ニュー・デイ・ハズ・カム』、『ユニゾン』の3曲を途中でコーラスが加わりながら、メドレーで歌ったところ。成熟した大人ならではの洒脱なパフォーマンスが印象的だったし、オリジナルでは葉加瀬太郎が颯爽とヴァイオリンを弾いた『トゥ・ラヴ・ユー・モア』へと続く流れもドラマティックだった。

カヴァーを含めて22曲、全てに共通するのは時代を超えて愛され続けていること。この歌を聴きたいからコンサートに行く、という動機になる歌ばかり。それは歌と生きてきたセリーヌの素晴らしい足跡でもあると……。最後はもちろん『マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン』の熱唱だった。

(文:服部のり子)



「ASIA-PACIFIC SUMMER TOUR」と銘打ったセリーヌ・ディオンのツアーは、今後もマカオ、シンガポール、ジャカルタ、台北、マニラ、そして最終日のバンコクへと続く。また、この日の東京公演の模様は、8月25日(土)にWOWOWにて放送されることも決定している。

<リリース情報>

セリーヌ・ディオン『ザ・ベスト・ソー・ファー…2018ツアー・エディション』ジャケット写真

『ザ・ベスト・ソー・ファー…2018ツアー・エディション』 
発売中

●国内盤CD
2形態同時リリース:
- 初回限定<セリーヌ・ディオン・ロゴ・ハンカチ付き>デラックス盤 SICP31170-1税込3,000円 
- 通常盤: SICP31172税込2,500円
- BluSpecCD2仕様/スリーブ付/国内盤ボーナストラック収録
●配信
iTunes購入リンク
https://itunes.apple.com/jp/album/id1370272905?at=10lpgB&ct=886447030899_al&app=itunes

収録曲:
01. マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン (ラヴ・テーマ・フロム"タイタニック")
02. トゥ・ラヴ・ユー・モア
03. イモータリティ
04. フォーリング・イントゥ・ユー
05. パワー・オブ・ラヴ
06. イッツ・オール・カミング・バック・トゥー・ミー・ナウ
07. ザッツ・ザ・ウェイ・イット・イズ
08. 愛をふたたび
09. ザ・ファースト・タイム・エヴァー・アイ・ソー・ユア・フェイス
10. シンク・トワイス
11. ビコーズ・ユー・ラヴド・ミー
12. アイ・ドローヴ・オール・ナイト
13. ア・ニュー・デイ・ハズ・カム
14. アローン
15. テイキング・チャンシズ
16. ラヴド・ミー・バック・トゥ・ライフ
17. オール・バイ・マイセルフ
18. リヴァー・ディープ、マウンテン・ハイ ※日本盤ボーナストラック

Rolling Stone Japan 編集部

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