これまで日本でのみリリースされていた『Live 1962 – 1966: Rare Performances from The Copyright Collections』が、7月27日に世界リリースされることになった。本作には、「風に吹かれて／Blowin’ in the Wind」の最初のバージョンとして知られている演奏が収録されている。これまで日本でのみ入手可能だった1962年から1966年のコンサートを録音した音源で構成された2枚組CDアルバムが、7月27日に世界中でリリースされることになった。『Live 1962 – 1966: Rare Performances from The Copyright Collections』のオープニングでは1962年にニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジにあるGerde’s Folk Cityで録音されたソロ・アコースティック曲が続き、フォーク時代のディランの輝ける瞬間が次々と披露され（1963年にカーネギー・ホールで行ったヘッドライニング公演も含む）、最後は1965〜66年の伝説のエレクトリック・ツアーで幕を閉じる。このツアーではロックバンドを伴って演奏したため、ディランはフォークの純粋主義者たちを激怒させた。
収録曲は著作権保護作品から集められており、これはソニーがここ6年間、わずかな限定数で密かにリリースしたアルバムだった。この全世界リリースが可能になった背景には、「50年間リリースされていない録音物はすべてパブリックドメイン（公有財産）となる」というヨーロッパの著作権法がある。狂信的なディラン・ファンでもない限り、数多くの著作権保護オリジナル作品に散り散りに収録されている楽曲から、このアルバムの収録曲をわざわざ探し当てて聞くほどの忍耐力は持ち合わせていないと思われるので、この新しい2枚組CD作品は、興味深い瞬間だけを集めた美味しいとこ取り作品と言えるだろう。「風に吹かれて」の最初のバージョンとして知られている音源、ワシントンでの行進でマーティン・ルーサー・キング・ジュニアが有名な「I have a Dream」で始まるスピーチを行ったすぐ後に録音されたジョアン・バエズとのデュエット「船が入ってくるとき／When the Ship Comes In」、バックにThe Hawksを従えてスコットランドで録音された痛烈な「やせっぽちのバラッド／Ballad of a Thin Man」等などが収録されている。
ディランは、7月27日の韓国ソウルにあるオリンピック・ジムナスティック・アリーナで、ネバー・エンディング・ツアーを再開する。その後、29（土）には苗場で開催されるフジロックフェスティバル’18へ出演し、その後1ヶ月間かけてアジア全域とオーストラリアをまわり、8月28日のニュージーランドはクライストチャーチにあるホーンキャッスル・アリーナで幕を閉じる予定だ。この秋に行われるディランのコンサートで現時点で決定しているものは、10月13日のオクラホマ州サッカーヴィルにあるウィンスター・ワールド・カジノ・アンド・リゾートで行われる公演だけである。
ボブ・ディラン: 『ライヴ：1962-1966～追憶のレア・パフォーマンス』BOB DYLAN: "Live 1962-1966 Rare Performances From The Copyright Collections"＜収録予定曲＞
Disc 1
1. 風に吹かれて (April 16, 1962)
2. コリーナ、コリーナ (April 16, 1962)
3. ジョン・ブラウン (April 12, 1963)
4. くよくよするなよ (April 12, 1963)
5. ボブ・ディランの夢 (April 12, 1963)
6. 七つののろい (April 12, 1963)
7. スペイン革のブーツ (April 12, 1963)
8. 戦争の親玉 (October 26, 1963)
9. ハッティ・キャロルの寂しい死 (October 26, 1963)
10. 船が入ってくるとき (August 28, 1963)
11. 時代は変る (May 17, 1964)
12. 北国の少女 (May 17, 1964)
13. ミスター・タンブリン・マン (May 17, 1964)
14. 悲しきべイブ (May 17, 1964)
15. ラモーナに (July 26, 1964)
16. 自由の鐘 (May 17, 1964)
Disc 2
1. いつもの朝に (June 1, 1965)
2. イッツ・オールライト・マ (April 30, 1965)
3. ラヴ・マイナス・ゼロ／ノー・リミット (May 1, 1965)
4. エデンの門 (May 7, 1965)
5. イッツ・オール・オーバー・ナウ、ベイビー・ブルー (May 1, 1965)
6. シー・ビロングス・トゥ・ミー (May 10, 1965)
7. マギーズ・ファーム (September 3, 1965)
8. 悲しみは果てしなく (July 25, 1965)
9. 廃墟の街 (April 13, 1966)*
10. 連れてってよ (May 11, 1966) *
11. アイ・ドント・ビリーヴ・ユー (May 11, 1966) *
12. やせっぽちのバラッド (May 20, 1966) *
13. ジョアンナのヴィジョン (May 6, 1966) *
14. ライク・ア・ローリング・ストーン (May 17, 1966) *
