不屈のエース・棚橋弘至がサンフランシスコで見た現実

全9試合中、メインイベントのケニー・オメガ対Cody戦のラダー・マッチのような展開も盛り上がったが、客席が一番エキサイトしていたのは第8試合のIWGP USヘビー級選手権試合、ジェイ・ホワイト対ジュース・ロビンソンだった。日本人選手だと、最もインパクトを残したのは第7試合に出場した髙橋ヒロムだろう。

外国人選手の活躍が海外人気を後押ししていることは間違いないが、その一方で日本人選手のキャラクターやスタイルもファンはしっかり評価している。しかし、棚橋が言うようにベルトがあるのとないのとでは、注目度がぜんぜん違うのだ。そう考えると「G1 CLIMAX 28」会見での棚橋の発言、「ライバルは新日本プロレス、ライバルは棚橋弘至」の重みも、おのずと伝わるはずだ。


Photo by OGATA


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取材後、カメラマンが「ダメージを受けているときのタナさんの表情がすごくいい。美しいです」と話すと、「それはすごく鋭い視点。トップレスラーっていうのはね、みんなやられる姿も美しいんです。強いところも大事だけど、橋本さん(故・橋本真也)も長州さん(長州力)とかもそうですよね。耐えてる姿に人は惹きつけられるんです」と棚橋は語ってくれた。

肉体と精神。プロレスラー・棚橋弘至の美しさは、リング上でこそ輝く。そんな舞台が日本だけでなく海外でも出来上がった今だからこそ、耐える棚橋ではなく、攻める棚橋をもっと見てみたいと思う。


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G1 CLIMAX 28
プロレスファンにはおなじみの“真夏の祭典”G1 CLIMAX 28が開催中。20名の精鋭たちが全国各地で激闘を繰り広げ、最終決戦は新日本プロレス初となる8月10・11・12日は日本武道館にて開催される。
http://www.g1climax.jp/


棚橋弘至
1976年生まれ、岐阜県出身。立命館大学法学部の在学中に新日本プロレスの入門テストに合格。1999年デビュー。“100年に一人の逸材”と呼ばれる新日本のスター選手。主な獲得タイトルはIWGPヘビー級王座、G1 CLIMAX 25優勝など。近年はテレビや執筆活動など、リング外でも活躍の幅を広げ、9月21日(金)初主演映画『パパはわるものチャンピオン』の公開も控えている。
http://papawaru.jp/

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