カニエ・ウェストがトランプ支持をあらためて表明、理由については沈黙

カニエ・ウェスト(Photo by DKSStyle / Shutterstock)

カニエ・ウェストが米TV番組『ジミー・キンメル・ライブ』に出演した。「奴隷制度は選択」としてトランプ大統領を擁護したり、双極性障害であることを告白するなど、最新アルバム『イェー』のプロモーションが迷走に終わってからというもの、公の場でインタビューを受けるのはこれが初めて。

カニエ・ウェストは同番組でのインタビューを通して、過去3カ月間、論議を呼んだ彼の信条をさらに繰り返した。彼の根拠に乏しい保守主義支持も、アルバム・リリース前の話題作りだったのだろうという淡い期待も、カニエ本人によって一蹴された。

「周りの人間はみな、ミュージシャンとして、アフリカ系アメリカ人として、またハリウッドで暮らす1人の人間として、俺が誰を支持するべきか、意見を押し付けてきた。そして僕がトランプ支持を公言するたびに、『そんなこと大ぴらに言うもんじゃない』とか『キャリアが台無しになるぞ』とか言われたよ」と、カニエはキンメルに語った。「1年半ぐらいかかって、ようやく自分の主張を堂々と言えるようになった。たとえ結果がどうあろうともね」

またトランプを支持する理由については、これまで表明した以上のことをあえて釈明しようとはしなかった。「政策がどうのこうのじゃない。俺は彼みたいな政治家じゃないしね」



キンメルは、最近国境付近で家族が引き離されて問題になっていることを挙げ、この話題をさらに追及した。「あなたは以前、ジョージ・ブッシュは黒人のことなんて気にかけてないとおっしゃっていましたよね。なのになぜ、ドナルド・トランプや他の人々がそうでないと思うのか、理解できないんです」この問いに対して、カニエは返答せず、番組はここでCMに入った。

「想像できるかい? 俺の広報担当に『またTVに出るぞ』って言ったなんてさ」と、インタビューの途中でカニエが言った。「TV出演はやっぱりデカいからね、そりゃ出るさ」。さらに彼は、娘にファッションデザインの基本を教えたこと、ポルノの好みまで、次から次へと話題を変え、最後には近年経験したメンタルヘルスの問題に触れた。

「おそらく俺にとって重要なのは、メンタルヘルスについて包み隠さず話をすること。特に自分は黒人だからね。黒人コミュニティではセラピーを受けることなんて絶対なかったし、薬の治療を受けることもなかった。俺が最初に完全に心神喪失したのは5歳のとき、そのとき母親が薬物治療を受けさせなかったのが良かったんだと思う」とは本人談。「でなかったら、完全に『イェー』な状態にはなれなかったと思う」

本人曰く、彼の双極性障害がうつ病に至ることはないとのこと。「自殺しようかな、と思ったときもあったけど、その時期はもう過ぎ去ったよ」

Translated by Akiko Kato

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE