デフ・レパードがデペッシュ・モードの「パーソナル・ジーザス」が好きな理由

デペッシュ・モードのデイヴ・ガーン(Photo by SGranitz/WireImage)

デフ・レパードのギタリスト、フィル・コリンは、80年代を代表するUKバンドのデペッシュ・モード愛について、Spotifyの番組で語った。

多くの人々にとって2018年はデフ・レパードの年だと言っても過言ではないだろう。ハードロック・バンドが初めてマディソン・スクエア・ガーデンで行なったライブのチケットは完売、ロックンロール・ホール・オブ・フェイム(ロックの殿堂)にもノミネートされ、ようやく全曲がストリーミング・サービスで配信されることになったのだから。

その記念として、デフ・レパードはライブ本番前のウォームアップ曲のひとつ、デペッシュ・モードの「パーソナル・ジーザス」のカバーをSpotify Studioでレコーディングした。意外な選曲かもしれないが、80年代を代表する特異な両バンドには深いつながりがあることをギタリストのフィル・コリンがSpotifyのUnder Cover podcastで語った。

「パーソナル・ジーザス」が名曲である理由は、忘れられないグルーヴとメロディーにある、とコリンは言った。この曲を聴くと、デフ・レパードのヒット曲「ラヴ・バイツ」を思い出すそうだ。その理由は「パーソナル・ジーザス」同様、「ラヴ・バイツ」がダンストラックとしてレコーディングされたことにある。それぞれ単独でレコーディングしたトラックをミキシングの段階でひとつにするのだ。そのため、「ラヴ・バイツ」が米ビルボード・ソング・チャートHot 100でナンバー1を獲得したとき(バンドが唯一ナンバー1を獲得した曲でもある)、一体どうやってライブで演奏しよう、と少なからず悩んだそうだ。「(「ラヴ・バイツ」を)弾きながら歌うのは本当に大変だった」コリンは言った。「でもなんとかやり遂げたよ」。

デフ・レパード版「パーソナル・ジーザス」はオリジナルよりも骨太な印象だが、それはコリンのブルージーなエレキギターに寄るところが大きい。コリンが使っているジャクソンPC1にはサスティナーが内蔵されているので、『ヒステリア』などのアルバム特有のゆらめく小波のようなサウンドが得られる。コリンが言うには、クイーンのブライアン・メイからインスパイアされた音だそうだ。「パーソナル・ジーザス」では、いくつかのサウンドで実験することでようやく「クールで現代的でセクシー」な音にたどりつくことができた、とコリンは語った。

「(最初の頃)デペッシュ・モードは、消えていった多くのバンドのようにものすごくポップだった。でも突然「パーソナル・ジーザス」のような曲をやるようになって、誰もが『かっこいい!』って思った。初期のデペッシュ・モードとは違う、クールな要素があった」コリンは言った。「ジャスティン・ビーバーやテイラー・スウィフトよりもはるかにデペッシュ・モードのほうが売れていた、という記事には本当に驚いたよ」コリンは言った。「デペッシュ・モードに対して誇らしい気持ちと喜びで泣きそうだった。彼らは決して止まることなく、ずっとバンドとしてあり続けた……なんだか自分たちの姿と重なったよ」。

デフ・レパードは、10月24日の日本武道館を含む東名阪ツアーでの来日公演が決定しており、昨年30周年を迎えた名盤『ヒステリア』(1987年)の全曲再現をフィーチャーした内容でのライブツアーとなる。また、先日来日前に行ったインタビューでは「このコンセプトの公演をアメリカ以外で行うのは、日本が初めてなんだよ」とフィルが語ってくれた。

Translated by Shoko Natori

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