80年代「ネオロカビリー」の雄、ストレイ・キャッツが25年ぶりのアルバムに向けて始動

1993年以来の新作で40周年を祝うストレイ・キャッツ(Phot by Suzie Kaplan)

ストレイ・キャッツが戻ってくる。今年初めに再集結して数回だけライブを行ったロカビリーのリバイバリストたちが、結成40年を記念して2019年に新しいアルバムのリリースとフルサイズのツアーを行うことになった。

メンバーのブライアン・セッツァー、リー・ロッカー、スリム・ジム・ファントムは90年代初頭を最後にスタジオ・アルバムをリリースしていない。現時点で1993年のアルバム『オリジナル・クール/Original Cool』がバンドとしての最後のアルバムとなっている。途中、折に触れて集まってはバンドとしてライブを行ったり、メンバーがソロ・プロジェクトを行ったりしていたものの、最後のアルバムから25年の歳月が経過してしまった。ソロ・プロジェクトでは、セッツァーが行ったブライアン・セッツァー・オーケストラがルイ・プリマの「Jump, Jive, an’ Wail(原題)」をカバーした。これが1998年にまさかの大ヒットとなり、グラミー賞を受賞している。

40周年の記念の年に向けて、2019年のストレイ・キャッツはかつての活動ペースに戻る予定だ。セッツァーの「Jump, Jive an’ Wail」のレコーディグ・セッションを監督したプロデューサー、ピーター・コリンズとチームを組んで、21世紀最初のレコードを作るという。このアルバムは、クリス・ステイプルトンのアルバム『Traveller(原題)』を手がけたエンジニアのヴァンス・パウエルと共にナッシュビルでレコーディングを開始する。

セッツァーは、「40年前、俺たち3人はまだ10代で、長いこと忘れ去られていて、みんなが聴いたことのなかった音楽スタイルを演奏する小さなバンドを始めた。それから40年経ってもなお、俺たちは団結していて、今でもあの頃と変わらないスリルとウキウキな気分を感じながら音楽をやっている。この気持こそが俺たちの花火に火を点けて夜空で大輪の花を咲かせる原動力だし、世界を動かすものなのだ」というコメントを出した。

正式なツアーも計画に入っている。これは最近行ったラスベガスと南カリフォルニアでのライブがソールドアウトになったことで、現在のバンドの勢いが増していることも一因だろう。この2公演はストレイ・キャッツが10年振りに北アメリカで行ったライブだった。新たなツアーの詳細はまだ公表されていないが、彼らがUKツアーを行うか否かも注目したい。ストレイ・キャッツがアメリカでブレイクする何年も前に、トップ40のヒット曲を最初に出したがイギリスだったのだ。

「アルバム1枚分の楽曲はもうできている。クラシックのロカビリー曲だが、いつも通り最新のフレッシュな音楽とスタイルに仕上げている」と、ファントムが保証する。「言い換えれば……ストレイ・キャッツらしいアルバムさ」と。



Translated by Miki Nakayama

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE