カルチャー CULTURE


Rock Freaks File.005 中村亮一
(株式会社セラ 代表取締役/NPO法人トイボックス 代表理事)

ryoichi nakamura Rock Freaks File.005 中村亮一(株式会社セラ 代表取締役/NPO法人トイボックス 代表理事) 寝ても覚めても音楽LOVE……。
本企画では仕事やプライベートにおいて
“ロックな人生”を歩んでいる熱き人物を紹介する!

——エンタテインメントを通じて障害者の自立を支援するNPOを立ち上げたきっかけは?

「もともとは芸能スクールの運営に携わっていました。そこでは人間が商品。それになじめず辞めました。ただ、そこで知った“歌と踊りの力”をダウン症と不登校の子供たちに与えようと思ったんです。今から10年前、NPOが出てきた頃、“これだ”と思い、非営利団体を立ち上げ、歌と踊りを教え始めました。でも教えるだけではダメで、発表をする場所があることが大事。それで年1回、中野サンプラザで発表の場を設けています」

——お金儲けの芸能界から大転換ですね。

「(笑)。私たちが勝手に“障害者”と呼んでいる方々は、自分が障害者だと思っていないんです。一方、国は“障害者のケアにはお金が要る”と逃げ腰です。それと親。親は自分の子供が障害者に生まれてきた時点で、衝撃を受け、自分の子を囲い込んでしまうんです。その親、家族をハッピーにしたい。その子が舞台に立つ、テレビに出る、海外に行く……自慢でしょ? そんな自慢の子にしてあげたい。そうすれば子供たちはもっとやる気が出ます。まわりにいる僕らはそのために少しでも大きな舞台を用意しないと!」

——活動10年。肌で感じる“歌と踊りの力”とは?

「医学的にもダウン症の方がダンスをすることやハードなスポーツをすることは難しいと言われてきました。ところが、個人差はありますが歌を歌ったり、ダンスをすることまでできるようになってきた。今は表情もまったく変わってきました」

ryoichi nakamura 02 Rock Freaks File.005 中村亮一(株式会社セラ 代表取締役/NPO法人トイボックス 代表理事) ©Shinya Watabe

去る9月4日に中野サンプラザで行われたイベント「LOVE JUNX」にて。ダウン症を持つ子供たちによる熱きパフォーマンスが繰り広げられた。巧みなラップ(写真左)や圧巻のダンスパフォーマンス(右)を披露し、観客を魅了した。

——しかも、みんな楽しそうですね!

「歌も踊りも楽しいのがいちばんの基本。自然と笑顔が溢れ出てきます。ところが健常者はカッコよく見せたいとか……自分との壁がある。まず、自分が楽しまないと相手に伝わらないんです」

——さて、今後の展開は?

「精神障害者の文化オリンピック“スペシャル・オリンピック”の充実です。ダンス以外にも音楽をはじめとする芸術など、いろんな分野で表現させたい。それとこの活動の継続です。本人もお母ちゃんもお父ちゃんも家族全員、ステージが終わった時は笑顔です。発表会が終わった途端に“早く来年の発表会が来てほしいなぁ”って思うんです。だから、この活動を社会が続けていかないと。現実問題、良いサービスにはお金が必要です。ですから、スポンサーと行政と親がしっかり組んで進めていかないと。その仕組みができた後はみんなで一緒に頑張る。最終的に、社会における障害者の自立をサポートできたらと思います」

RYOICHI NAKAMURA

中村亮一 ● 1960年、大阪府生まれ。現在、セラグループ代表取締役/NPO法人トイボックス代表理事。企業グループを経営するかたわら、多業種にわたる企業の経営指導、経営改革にあたっている。また大阪産業大学をはじめ、研究者や自動車メーカー、インフラ系企業などと連携しての電気自動車普及のための活動、スポーツやモータースポーツを通じての青少年育成活動に取り組んでいる。

Text by Joe Yokomizo
Photographs by Saiko Nishimura for SELF:PSY’S


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