
「私たちはあらゆる困難を乗り越えて、誰もやってないことを初めてやった。スージー・クアトロがカギを開けたドアを、私たちが蹴破ったの」
そう語るのは、今年3月に日本で公開された映画『ランナウェイズ』の原作者であるシェリー・カーリー。伝説のガールズ・バンド、ザ・ランナウェイズの元ヴォーカリストだ。10代でデビューし、瞬く間に世界の頂点に立った彼女たちの実話を映画化したのは、90年代から現在まで数多くのミュージック・ビデオを手掛けている、フローリア・シジスモンディ監督。「ザ・ランナウェイズは大好きなバンドで思い入れもあるし、若い女性の物語だから私に向いていると思ったわ。心情がわかるから、いろいろ描けるでしょ。ランナウェイズはその後の女性たち、たとえばホールやL7に“女子だってバンドはやれる”っていう大きな自信を残してくれた」
本作ではジョーン・ジェット役のクリステン・スチュワートとカーリー役のダコタ・ファニングという、主演2人の真に迫る熱演ぶりが話題を集めた。特に自分たちで演奏しているステージ・シーンの“本物”感は半端じゃない。「スタジオでの歌入れなんて初めての経験だったけど、まるで秘密にしてた夢を実現できたようでうれしかった。だってロックのスーパースターになれるんだから!」とファニングは言う。「ダコタはどれだけ一緒に練習しても“本気の演技はカメラの前で”と言ってたの。それで、初めて彼女がカメラの前でやるのを見たら……感動して涙が止まらなかった。大好きな女優よ」とカーリー本人。原作者のカーリー、そしてエグゼクティヴ・プロデューサーであるジェット本人が常に撮影現場にいて、主演の2人がいつでも「実際はどうだった?」と確認できる状況だったという。スチュワートはある日、ジョーンや出演者たちと食事に行った時「ほかの何よりもあなた方を尊敬していて、この役を大事に演じる」と立ち上がって宣言したそうだ。

本物のランナウェイズ・メンバーとがっつり組んで作られたことからもわかるように、この作品は1975年当時のリアルな彼女たちの姿を描いている。「女にギターは教えない」「女のバンドは舞台に上がるな」という社会に必死で対抗し、やがて世界中を見返したロック少女たちの輝かしい瞬間がここには詰まっている。

(左)身体の動かし方や細かい仕草まで、すっかりジェットになりきっていたスチュワート。
(右)ファニングは現在のカーリーのステージを観て感銘を受けたと言う。
8月26日発売
発売元:アミューズソフト
販売元:アミューズソフト
提供:クロックワークス、アミューズソフト、パルコ
価格:3990円
©2010 Apparition, LLC. All Rights Reserved.
Text by Rei Ogura (RSJ)




COMMENT
facebook
twitter
loading..