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ソダーバーグ監督作『コンテイジョン』はウィルス感染がテーマ!
「“スター”ではなく“スターの演技力”が必要だった」

Soderbergh 01 ソダーバーグ監督作『コンテイジョン』はウィルス感染がテーマ!「“スター”ではなく“スターの演技力”が必要だった」

『オーシャンズ』シリーズの盟友、ブラッド・ピットが会見を行った小1時間後。時を同じくして来日していたスティーヴン・ソダーバーグ監督が記者会見場に登場した。質問にゆっくりと、言葉を選びながら答える監督からは、物事をしっかりと見つめる冷静さを感じた。そして、まさにそれが新作映画『コンテイジョン』の肝である。「1時間以上の映像をカットしたんだ。とにかくコンパクトで早い展開にしたくて、リズムを重視したよ」とソダーバーグは語る。

原因不明のウィルスが世界中で蔓延した時、人々はどのように感じ、どのような行動を取るのか? それを極限までリアルに、冷徹ともいえる視線で描いている本作。誰よりも早く命を落とす妻(グウィネス・パルトロウ)、なぜか感染しない夫(マット・デイモン)、原因究明に奮闘する研究者(ケイト・ウィンスレット)とその上司(ローレンス・フィッシュバーン)、WHOのドクター(マリオン・コティヤール)、そしてカリスマ的なブロガー・ジャーナリスト(ジュード・ロウ)……これらの主要なキャラクターを務めるのはいずれもアカデミー受賞歴、もしくはノミネート歴のある俳優たちである。しかし、スターの華々しさはどこへやら、まるでドキュメンタリーかノンフィクションを観ているように感じられる。「それぞれの役柄が持つ情報量が、非常に多い映画なんだ。それでいてあまりにスピーディだからね。限られた時間でその情報や感情を表現するのは、本当に演技力のある俳優しかこなせないはずだよ。そういう意味で、“スター”が必要だったのではなく“スターの演技力”がこの作品には必要だったんだ」。それにしてもソダーバーグのもとには、なぜこんなにも大物俳優が集まってくるのだろう? 「僕は俳優たちの話をよく聞く監督だからね。驚くかもしれないけど、世の中には俳優にあまり好意的じゃない映画監督も結構多いんだ(笑)。僕は役者という仕事をとても尊重してる。自分をさらけ出さなきゃいけない、ある意味恐ろしい職業。そんな仕事をしている彼らに対して敬意を払い、“ここは安全だよ”と言ってあげたいのさ」

Soderbergh 02 ソダーバーグ監督作『コンテイジョン』はウィルス感染がテーマ!「“スター”ではなく“スターの演技力”が必要だった」

「“リアル”を追求しているとはいえ、パルトロウの解剖シーンには誰もがドッキリさせられるはず。「グウィネスはあの撮影に興奮していたよ(笑)。この映画の現場では、つねに本物のドクターたちにいてもらって、実際のシチュエーションではどうするのか、患者たちはどう反応するか、教えてもらいながらやっていた。グウィネスも解剖時の口の開き具合や、舌の位置をドクターに聞いて演技をしてたんだ」

目に見えないウィルスへの恐怖や防護服、パニックに陥りワクチンを求めて争う人々などは、ともすれば震災後の日本で起こったこと、起こる可能性のあったことを連想させる。「究極の状況に置かれた時、人はどんな行動を取るのか。それがこの映画のテーマだから、やはり今年震災を経験した日本の観客の反応がすごく気になっていたよ。こういった絶望状況で、人は善を行えるか――そこに希望があるんだ。パニックしても解決しないわけだからね」

スピーディでめまぐるしい展開の中にも、細かい人物描写やキャラクターそれぞれの行動/思考パターンが詰め込まれているこの作品。徹底的な“リアル”を劇場で目撃してほしい。

公開情報

『コンテイジョン』は新宿ピカデリーほかにて公開中。
『コンテイジョン』公式サイト http://wwws.warnerbros.co.jp/contagion

Text by Rei Ogura (RSJ)


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