
『ラ・リベラシオン』(スペイン語で「自由」の意味)と名付けられた新作と共に、CSSが帰ってきた! プライマル・スクリームのボビー・ギレスピーや、デヴィッド・ボウイの作品などで知られるピアニストのマイク・ガーソンといったゲストを迎え、文字通り自由に作り上げたというこの作品には、メンバーの脱退や、前マネージャーとのトラブルといった試練を乗り越え、今を謳歌する彼女たちの姿がそのまま刻み込まれている。
——フジロックへの出演は3年振りですが、前回出演したときのことは覚えていますか?
アナ・レゼンデ(ギター、キーボード)「とっても特別なショウだったから、よく覚えてるわ。ラヴフォックスがオーディエンスに手を振る指示をしたときの写真をルイザが撮ってたんだけど、ちょっとややこしい振りだったにもかかわらず、みんなきれいに揃ってて、すごくびっくりしたの!」
アドリアーノ・シントラ(ベース)「日本のオーディエンスはとてもキチッとしてるよね。曲の最中はずっと叫んでたり、一緒に歌ってくれるんだけど、曲が終わると急に静かになって、次の曲を待っててくれるのがすごい」
アナ「でも基本的にはすごくエネルギッシュで、ずっとジャンプしてくれるから、やってる側としては心が温かくなるのよね」
——新作『ラ・リベラシオン』は、そんなフェスにもぴったりの、自由で、解放的な雰囲気が感じられる作品に仕上がりましたね。
アドリアーノ「ゆっくりと1年ぐらいかけて制作したんだけど、その時期のメンバーのとても幸せでポジティヴな状態が表れてるんだと思う。これまで4年間ぐらいノンストップでツアーを続けてきて、しばらくホームレスな状態だったからね(笑)。でも、やっと全員がブラジルに戻って、落ち着いた生活が送れるようになったんだ。それに、いいマネージャーもやっと見つかったし(注:彼らは以前のマネージャーにお金を持ち逃げされている)、いろんなことがやっといい方向に進み始めたんだ。今回は締め切りもなかったから、結果的に23曲もできて、アルバムにはその中から厳選した11曲を入れたってわけ」
——ブラジルに自分たちのスタジオを作って、そこでレコーディングしたそうですね?
アドリアーノ「うん、みんながリラックスして過ごせる大きな家みたいな感じの場所なんだ。ほとんどをそこでレコーディングして、ヴォーカルとミックスだけはちゃんとしたスタジオを使った。1枚目のときと似た環境だって言っていいと思う」
——様々な楽器が使われていますが、特にマイク・ガーソンが参加した“Partners In Crime”のピアノが印象的でした。
アドリアーノ「あの曲は全然違う5つぐらいのヴァージョンがあったんだけど、デヴィッド・ボウイの『ダイアモンド・ドッグス』を聴いて、ピアノのヴァージョンがいいと思ったんだ。あのアルバムに参加してるマイク・ガーソンは僕の大好きなプレーヤーだったから、マネージャーに冗談半分で『マイク・ガーソンみたいなピアノを入れたいな』ってメールをしたら、『知り合いだよ』って!ただ、ライヴでどうするかが大きな問題なんだけどね(笑)」
アナ「今回のアルバムって、ライヴで再現することを全く考えずに作った初めてのアルバムなの。例えば、テレビとかだったらゲストを招いてCD通りに再現するかもしれないし、ライヴはどうするかを考えるのがまた楽しいわけ。新しい可能性も広がると思うし」
——“自由”という意味のタイトルを付けたのは、今の自分たちの状況を反映してのこと?
アドリアーノ「うん、まさに今の自分たちを反映してる言葉だと思うんだ。やりたいことをやる、自分たちが聴いて楽しいと思える曲を作る、アコースティク、エレクトロニック、レゲエ、パンク・ロック、どんなジャンルも関係ない、完全に自由なんだよ!」
——タイトルの元になった“La Liberacion”はどんなことをテーマにした曲なんですか?
アドリアーノ「あれはホントにクレイジーな曲なんだ(笑)。マイケル・ダグラスの『フォーリング・ダウン』っていう映画に出てくる主人公みたいに、『とにかくクレイジーになろう!』って曲だね」
——音楽をプレイしている時間っていうのは、まさに“自由”を感じられる瞬間だと思いますが、それ以外ではどんなときに“自由”を感じますか?
アナ「自分の好きなことを追いかけて、それを成し遂げること。それが最も簡単に自由を感じられる方法だと思う。好きでもないことを続けるなんて、まったくの逆よね。幸運にも、私たちはCSSであり続けることによって、自由を感じていられるの」
CSS
シーエスエス ● ブラジル、サンパウロ出身の男女混成バンド。フロントマンのラヴフォックスを筆頭に、ロックとダンスの境界線を軽々と超える新世代のインディ・ポップ・アイコンとして、常にメディアからの注目を集め、世界中でファンを獲得している。
Text by Atsutake Kaneko
Photograph by Tasuku Amada



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